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1992 年度 実績報告書

遷移金属に配位した窒素分子のシリル化とその触媒的窒素固定への応用

研究課題

研究課題/領域番号 03453097
研究機関東京大学

研究代表者

干鯛 眞信  東京大学, 工学部, 教授 (60011011)

研究分担者 溝部 裕司  東京大学, 工学部, 講師 (40175609)
キーワード窒素固定 / 触媒的シリルアミン合成 / 窒素分子のシリル化 / 窒素分子のゲルミル化 / シリルジアゼニド錯体 / シリルヒドラジド錯体
研究概要

1.窒素錯体cis-[W(N_2)_2(PMe_2Ph)_4](1)は過剰のNaI存在下一連のR_3SiClとベンゼン中で反応してシリルジアゼニド錯体trans-[WI(NNSiR_3)(PMe_2Ph)_4を与えることが判明した。一方、1およびそのMo類似錯体(2)とClSiMe_2CH_2-CH_2SiMe_2Clとを同条件下で反応させるとシリルヒドラジド錯体Cis,mer-[MI_2(NNSiMe_2CH_2CH_2SiMe_2)(PMe_2Ph)_3](3a:M=W;3b:M=Mo)が得られた。また1とRR_3GeCl/NaI(R=Me,Ph)との反応を同様に試みた結果、配位窒素のゲルミル化反応が進行することも新規に見いだし、ゲルミルジアゼニド錯体trans-[WI(NNGeR_3)(PMe_2Ph)_4]の単離同定にも成功した。
2.窒素錯体2存在下で、各種R_3SiClとNaとをTHF中窒素下で反応させると、窒素ガスからのシリルアミン類生成反応が触媒的に進行することを見いだし、それらの収率がケイ素上の置換基の種類に大きく依存することを明らかにした。
3.錯体3aのシリルヒドラジド基のcis位にある1つのホスフィン配位子はL(CO、エチレン、ニトリル)により室温で容易に置換を受けcis,trans-[WI_2(NNSiMe_2CH_2CH_2SiMe_2)(PMe_2Ph)_2(L)]を生成した。また^tBuNCとの反応ではカチオン錯体mer-[WI(NNSiMe_2CH_2CH_2SiMe_2)(PMe_2Ph)_3]Iを与えた。さらに、3aとCH_2X_2(X=I,Cl)との室温での反応からは一電子酸化を受けたW(V)の常磁性錯体mer,trans-[WX_3(NNSiMe_2CH_2CH_2SiMe_2)(PMe_2Ph)_2]が単離された。本錯体(X=I)は、加水分解により容易にヒドラジド錯体[WI_3(NNH_2)(PMe_2Ph)_2]を与え、さらにケトンと縮合してジアゾアルカン錯体mer,trans-[WI_3(NN=CRR')(PMe_2Ph)_2]へと誘導されることから、一連の新規W(V)窒素固定関連錯体合成のための良好な前駆体となることが判明した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] H.Oshita: "Novel Disilylation of Dinitrogen Ligand in cis-[W(N_2)_2(PMe_2Ph)_4.Synthesis and Reactivity of mer-[WI_2(NNSiMe_2CH_2CH_2SiMe_2)(PMe_2Ph)_3" Organometallics. 11. 4116-4123 (1992)

  • [文献書誌] H.Oshita: "Silylation and Germylation of a Coordinated Dinitrogen in cis-[M(N_2)_2(PMe_2Ph)_4](M=Mo,W)Using R_3ECl/NaI and R_3ECl/Na Mixtures(E=Si,Ge)" J.Organomet.Chem.(1993)

  • [文献書誌] 溝部 裕司: "前周期遷移金属の有機化学" 日本化学会編学会出版センター, (1993)

  • [文献書誌] M.Hidai: "Molybdenum Enzymes,Cofactors and Model Systems" E.I.Stiefel,D.Coucouvanis,and W.E.Newton,Eds.,American Chemical Society, (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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