研究概要 |
1.クロロシラン類の電解還元によるポリシランの合成ル-トを開発するため、電極、溶媒、支持塩などの諸条件について総合的に検討した。その結果、無隔膜セル中でジメトキシエタンを溶媒、銀または銅を陽極、過塩素酸テトラブチルアンモニウムまたはテトラフェニルボレ-トを支持塩として用いた系で高率的な合成が行えることを見いだした。さらに、電極として安価な銅ー銅電極を用いた大規模スケ-ルでの反応について検討した。例えば、クロロメチルジフェニルシランから1,2ージメチルテトラフェニルジシランを73%の収率で得ることができた。クロロメチルジフェニルシランとクロロトリメチルシランの交差カップリングでは1,1ージフェニルテトラメチルジシランを80%の収率で、またジクロロメチルフェニルシランとクロロトリメチルシランの交差カップリングでは2ーフェニルヘプタメチルトリシランを63%の収率で得ることができた。同様に1ークロロー1ーフェニルテトラメチルジシランからは2,3ージフェニルオクタメチルテトラシランを83%の収率で、またジクロロメチルフェニルシランとクロロペンタメチルジシランの交差がカップリングで3ーフェニルウンデカメチルペンタシランを73%の収率で得ることに成功した。また、本法の応用によるジシラニレンポリマ-の合成についても検討した。例えば、ビス(クロロメチルフェニルシリル)エタンをテトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレ-トを支持塩とし、銅ー銅電極系を用いて電解還元すると主鎖にシロキシ結合を全く含まない分子量12万のジシラニレンエチレンポリマ-を得ることができた。
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