研究概要 |
次に述べる二つのアプロ-チで導電性高分子液晶の合成を試みた。 その1は、3位を液晶性を有する置換基で置換したチオフェン誘導体の重合による方法である。現在迄に合成できたモノマ-は下図に示す構造 【chemical formula】 をもち,三塩化鉄を開始剤とする化学重合や電気化学的重合のいずれの方法でも重合可能であることがわかった。しかし,生成ポリマ-は溶媒に不溶であり,何らかの副反応のために架橋反応を起こしていると思われる。今後はエ-テル結合をもたないモノマ-の合成を試み,可溶性の高分子誘導体の合成を目指している。 その2の方法はアセチリン誘導体による方法で,下記のモノマ-の合 【chemical formula】 成を終り,メタセシス触媒およびチグラ-・ナッタ触媒による重合を行った。いずれの触媒でも重合が可能で,とりわけFe(acac)_3ーAlEt_3系のチグラ-・ナッタ触媒を使うと,モノマ-のnが3でRがmープロピルのモノマ-からは数平均分子量でクロオに達する高分量のポリマ-が合成できた。今後は溶液の性質を調べる予定である。
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