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1992 年度 実績報告書

コロイド粒子の認識応答適程に対する粒子表面水和層の影響に関するラマン分光学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03453112
研究機関富山大学

研究代表者

北野 博巳  富山大学, 工学部, 教授 (40115829)

研究分担者 前田 寧  富山大学, 工学部, 助手 (60242484)
伊藤 研策  富山大学, 工学部, 助教授 (10192494)
島崎 長一郎  富山大学, 工学部, 教授 (10019177)
キーワードコロイド粒子 / 認識応答 / 表面水和層 / ラマン分光法
研究概要

細胞膜および生体高分子間の認識応答過程に対する表面水和相の影響を解明することを目的として、(1)水容性高分子および親水性ゲル中の水の構造のラマン分光学研究、(2)特異的相互作用を有する細胞モデル粒子(リポソーム)間の会合過程の速度論的研究、(3)親水性溶質へのアルキル基の導入による疎水性水和殼の形成に関するラマン分光学的研究を行った。
(1)水分子の協同的なO-H伸縮振動に伴うラマンバンドの強度変化から、水溶性高分子の周囲の水和殻中の水の構造を解析し、分子量およびモノマー単位の親、疎水性の効果を明らかにした。また高分子ゲル中の水の状態を解析し、1辺50A^^°程度以下の小空間中ではバルク水中より水分子間の水素結合数が小さいことを解明した。
(2)多糖被覆リポソームと、レクチン担持リポソームを用い、多糖・レクチン間の相互作用に基づくリポソーム会合過程を観察した。リポソーム同士の会合速度定数は5x10^<-5>M^<-1>s^<-1>程度であり、コロイド粒子同士の接近および接触に際してのバルク水及びリポソーム表面の水分子の脱離にエネルギーを要するため(それぞれhydrodynamic effect,repulsive hydrationと呼ばれる)に遊離の多糖・レクチン会合系での値に比べて小さくなった。
(3)N-置換ピロリドンの重水溶液においてカルボニル基の伸縮振動のラマンスペクトルは、窒素原子と重水分子との水素結合によるピロリドン環の転位にともなって変化する。その変化の温度依存性を検討することにより、ピロリドン環と重水分子間の水素結合によるエンタルピー変化を見積もった。エンタルピー変化は軽水中での値に比べて大きく、しかも置換基を長くするにつれその差は大きくなった。このことから疎水性溶質の周囲では重水分子による疎水性水和殻が形成されていることが判明した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 田中 直毅: "Raman spectroscopic study of hydrogen bonding of N-alkyl-2-pyrrolidinonsin heavy water." Spectrochiwica Acta. 48A. 237-243 (1992)

  • [文献書誌] 長谷川 雅典: "Mutual recognition between polymerized liposomes IV.Polysaccharide-Lectin system" Biotechnol.Appl.Biochem.15. 40-47 (1992)

  • [文献書誌] 寺田 貴彦: "Raman spectroscopic study on water in polymer gels." J.Phys.Chem.97. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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