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1992 年度 実績報告書

磁性細菌粒子生成系遺伝子の解明

研究課題

研究課題/領域番号 03453128
研究機関東京農工大学

研究代表者

松永 是  東京農工大学, 工学部, 教授 (10134834)

研究分担者 中村 徳幸  東京農工大学, 工学部, 助手 (20198229)
早出 広司  東京農工大学, 工学部, 助教授 (10187883)
キーワード磁性細菌 / トランスポゾン変異株 / 接合伝達 / 磁気微粒子 / 鉄輸送 / 16SrRNA / magA遺伝子
研究概要

磁気微粒子生成能欠損株のクローニングされた変異遺伝子断片のうち、NM3、NM5株の遺伝子断片は同一遺伝子であることがわかり、NM5株の遺伝子について解析を行った。このNM5株の変異遺伝子の野生株菌体内での発現について調べるためにノーザンハイブリダイゼーションを行った結果、鉄イオン濃度を制限した条件で培養したAMB-1野生株の菌体において、mRNAの発現量が多いことがわかった。このことからNM5株が欠損している遺伝子には、鉄イオン濃度で発現が制御されている遺伝子が存在していることが明らかとなった。またさらに、NM5株の変異遺伝子をシークエンスすることによって、2640bpの変異遺伝子の塩基配列を決定した。解析の結果、Tn5の挿入部位において1050bpのオープンリーディングフレーム(ORF)が発見され、このORFをmagAと名付け遺伝子解析を行った。magAの上流には-35領域、-10領域と思われる配列が発見され、これはmagAのプロモーターとして機能している領域であると推察された。また、magのA下流域では転写終結を担うターミネーターと思われる領域が発見された。次に、予測されるmagAのコードしたアミノ酸配列についてコンピューターのデータベースからホモロジー検索を行った結果アミノ酸配列は、K^+、Na^+、Ca^+などのカチオン輸送に関与したタンパク質のアミノ酸配列とホモロジーが高いことが明かとなった。これらの中で、大腸菌の膨圧コントロールを行うカリウム流出タンパク質KefCと最も高いホモロジーを示したが、そのホモロジー領域はKefCタンパク質において膜に局在するカリウムチャンネル領域であるといわれており、非常に疎水性度の高いアミノ酸配列の領域が繰り返し出現する構造を有している。magAがコードしたタンパク質は、これと同様の疎水性度のパターンを示し、何らかのカチオン輸送の関わるチャンネル膜タンパク質であると考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Tadashi Matsunaga: "Gene Transfer in Magnetic Bacteria;Transposon Mutagene-sis and Cloning of Genomic DNA Fragments Required for Magnetosome Synthesis." Journal of Bacteriology. 174. 2748-2753 (1992)

  • [文献書誌] Ryuji Kawaguchi: "Phylogeny and 16s rRNA Sequence Magnetospirllum sp.AMB-1,an Aerobic Magnetic Bacterium." Nucleic Acids Research. 20. 1140- (1992)

  • [文献書誌] Chikashi Nakamura: "Characterization of Iron Uptake in the Magnetic Bacteria Aquaspirillum sp." Applied Biochemistry and Biotechnology. (1993)

  • [文献書誌] Tadashi Matsunaga: "Respiratory inhibitors of a magnetic bacterium Magnetospirillum sp.AMB-1 capable of growing aerobically." Applied Microbiology and Biotechnology. (1993)

  • [文献書誌] Tadashi Matsunaga: "Mechanisms and Phylogeny of Mineralization in Biological Systems" Springer-Verlag Tokyo, 15 (1991)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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