研究課題/領域番号 |
03453128
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
松永 是 東京農工大学, 工学部, 教授 (10134834)
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研究分担者 |
中村 徳幸 東京農工大学, 工学部, 助手 (20198229)
早出 広司 東京農工大学, 工学部, 助教授 (10187883)
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キーワード | 磁性細菌 / トランスポゾン変異株 / 接合伝達 / 磁気微粒子 / 鉄輸送 / 16SrRNA / magA遺伝子 |
研究概要 |
磁気微粒子生成能欠損株のクローニングされた変異遺伝子断片のうち、NM3、NM5株の遺伝子断片は同一遺伝子であることがわかり、NM5株の遺伝子について解析を行った。このNM5株の変異遺伝子の野生株菌体内での発現について調べるためにノーザンハイブリダイゼーションを行った結果、鉄イオン濃度を制限した条件で培養したAMB-1野生株の菌体において、mRNAの発現量が多いことがわかった。このことからNM5株が欠損している遺伝子には、鉄イオン濃度で発現が制御されている遺伝子が存在していることが明らかとなった。またさらに、NM5株の変異遺伝子をシークエンスすることによって、2640bpの変異遺伝子の塩基配列を決定した。解析の結果、Tn5の挿入部位において1050bpのオープンリーディングフレーム(ORF)が発見され、このORFをmagAと名付け遺伝子解析を行った。magAの上流には-35領域、-10領域と思われる配列が発見され、これはmagAのプロモーターとして機能している領域であると推察された。また、magのA下流域では転写終結を担うターミネーターと思われる領域が発見された。次に、予測されるmagAのコードしたアミノ酸配列についてコンピューターのデータベースからホモロジー検索を行った結果アミノ酸配列は、K^+、Na^+、Ca^+などのカチオン輸送に関与したタンパク質のアミノ酸配列とホモロジーが高いことが明かとなった。これらの中で、大腸菌の膨圧コントロールを行うカリウム流出タンパク質KefCと最も高いホモロジーを示したが、そのホモロジー領域はKefCタンパク質において膜に局在するカリウムチャンネル領域であるといわれており、非常に疎水性度の高いアミノ酸配列の領域が繰り返し出現する構造を有している。magAがコードしたタンパク質は、これと同様の疎水性度のパターンを示し、何らかのカチオン輸送の関わるチャンネル膜タンパク質であると考えられる。
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