研究分担者 |
川口 基一郎 北里大学, 薬学部, 助手 (10146334)
折原 裕 北里大学, 薬学部, 助手 (30137905)
広谷 正男 北里大学, 薬学部, 助手 (50050547)
浅田 善久 北里大学, 薬学部, 講師 (90118779)
吉川 孝文 北里大学, 薬学部, 助教授 (80050540)
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研究概要 |
変換実験に用いる培養細胞株としては,新たにギムネマ・シルベスタ,ナツメを,また毛状根としては各種カンゾウからAgrobacterium rhizogenes直接感染法により,それぞれ誘導した。 モノテルペン(メント-ル,ボルネオ-ル)はツキヌキユ-カリ培養細胞により水酸化・配糖化・酸化・還元された化合物へと変換され,それぞれ10,8個の新規変換物を得た。甘味ジテルペン配糖体ステビオサイドのアグリコンであるステビオ-ルはツキヌキユ-カリ,コ-ヒ-培養細胞によりグルコ-ス配糖体に変換された。甘味トリテルペン配糖体グリチルリチンのアグリコンであるグリチルレチン酸はツキヌキユ-カリ,コ-ヒ-培養細胞さらに薬用ニンジン毛状根により配糖化された。 強心配糖体ジギトキシンのアグリコンであるジギトキシゲニンは各種ストロファンツス属植物培養細胞により配糖化,異性化,水酸化を受け,計17種の変換物が得られた。その変換反応の様式には,通有性と特異性が認められた。茶の旨味物質テアニンのアミン部分であるエチルアミンは培養条件を工夫することによりチャ培養細胞によりγーグルタミル化されテアニンを生じた。 特にモノテルペンの変換反応では主変換物の他に多様な変換物が得られた。変換物の多様性は変換反応それ自身としてみれば非常に興味深いものであるが,薬品生産という観点からはあまり好ましいものではない。また,基質の毒性が強いものは通常の濃度ではその毒性のために細胞死を引き起こし,変換反応が進行しないものがあった。また,基質によっては試みたすべての培養細胞で変換されないものもあった。しかし,それは基質の毒性によるものではなく,おそらく細胞への取り込みに問題があるためと考えられる。
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