研究概要 |
1。Clavicipitic AcidI及びIIのキラル合成ーLーアスパラギン酸より光学活性ピロ-ル誘導体1を得,これにmethyl methylsulfinylmethyl sulfideのアニオンを作用させた後,メタノ-ル中硫酸処理してインド-ル閉環させ2を合成した。これへSnCl_4存在下2ーmethyー2ーpropenyltrimethylsilaneを作用せしめ3へと導いたが,現在3よりclavicipitic acids(4)への変換を検討中である。 2。Herbindole類の合成ーシクロペンタン誘導体5とホルミルピロ-ル体6を縮合後3工程を経て7とし,この二重結合をケトン基へ変換後,酸処理に付してインド-ル誘導体8を合成した。8の側鎮SO_2Ph基はグラミン様の活性を示し,メタノ-ル中Mgにて還元すればを9a与え,Me_3Al処理後同様還元すれば9bを生成した。また8をEtAlCl_2存在下allyltrimethylsilanceと反応せしめた後,二重結合の転移を行ない,脱保護して9cを合成した。9aーcはdidemethylherbindoles A,B,Cに相当する。 3。Pendolmycinの合成ーDーセリンより導いた10へLーバリン由来の側鎮を結合後ジメチルアリル基を導入,脱OAc基,脱水した上Lawesson試薬でチオアミド化して11を合成した。11のインド-ル閉環を種々の条件下検討の結果,οーMeOOCPhCH_2Br処理による方法を見いだし12へと閉環した。これより9員環ラクタム形成を行ないpendolmycin(13)のenantioselectiveな合成を完成した。 4。4ーAlkoxyinodole類の新合成法ー4ー(1ーArylsulfonylー3ーpyrrolyl)ー4ーoxobutanal及びそのジメチルアセタ-ル体を,酸触媒による脱水条件下アルコ-ル類と加熱すると,インド-ル閉環して4ーalkoxyindole類を形成することを見いだした。この反応を利用して薬理活性の本体であるキラルな(S)ーpindololの効率良い合成法を開拓した。
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