研究概要 |
ピュレックス主分離工程におけるNpの分配挙動を、硝酸-亜硝酸との酸化還元反応の平衡・速度およびNp(VI)の有機相への分配を硝酸3〜6M、亜硝酸10^<-4>〜10^<12>Mにおいて調べ、硝酸濃度の変化による反応化学種の活量係数の変化、硝酸および亜硝酸の有機相への分配を考慮することにより解明した。 (1)硝酸-亜硝酸およびNOx間の酸化還元反応平衡を溶液の酸化還元電位を測定して調べ、平衡は関与する化学種の活量を用いて次の式で定量的に記述できることを明らかにした。 E/V=0.951+0.0581・log({HNO_3}^2)/({HNO_2}^<1/2>{H_2O}^<1/2>) またこの平衡の成立速度がNpの酸化還元に比べて十分に速いことを可視紫外吸収スペクトル測定により確認した。 (2)Npの抽出平衡分配比を硝酸-亜硝酸濃度の関数として調べ、水相中の比[Np(VI)]/[Np(V)]=Rが水相中の硝酸-亜硝酸による酸化還元電位Eにより決まり、このうちNp(VI)のみが有機相に分配するとして説明できることを明らかにした。 E=E^*+0.0591・logR但し[HNO_3]/M=3,4,6においてE^*/V=1.122,1.117,1.114 (3)Npの抽出速度を、有機相としてTBP-ドデカンおよびTOPO-ドデカンの2種類を用いて硝酸-亜硝酸濃度の関数として調べ、抽出速度は水相中のNpの5価から6価への酸化反応によって律速されており、反応速度はK=5.44・{HNO_3}^<1.02>{HNO_2}^<0.56>と表されることを明らかにした。
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