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1993 年度 実績報告書

タンパク質工学を利用したタンパク質折りたたみの速度論的解析

研究課題

研究課題/領域番号 03453170
研究機関東京大学

研究代表者

桑島 邦博  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70091444)

研究分担者 伊倉 貞吉  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (50251393)
キーワードタンパク質フォールディング / 部位特異的変異 / ヌクレアーゼ / 反応速度論 / プロソン異性化反応 / タンパク質の構造形成
研究概要

モルテン・グロビュール(MG)状態はもともとタンパク質変性反応の中間体として知られていたが、多くのタンパク質の巻戻り反応の初期に形成される中間体と同一であると考えられている。従って、MG状態の安定化の分子機構を調べ、巻戻り反応における役割を明らかとすることは、タンパク質構造形成の分子機構を明らかとする上で重要である。本年度は、タンパク質工学的手法を用いて、黄色ブドウ球菌ヌクレアーゼ(SNase)のMG状態の安定性の変化がその巻戻り過程にどのように影響するかを調べた。SNaseにはMG状態を安定化するアミノ酸変異(クラスI変異)と不安定化するアミノ酸変異(クラスII変異)がある。本研究では、これらのアミノ酸変異がSNaseの巻戻り反応に与える影響をストップトフローCD法により調べた。
クラスI変異体であるVal66LeuとGly88Valとこれらの二重変異体、クラスII変異体であるAla90SerとAla69Thrとこれらの二重変異体の6種の変異体及び野生型タンパク質の遺伝子をもつ発現プラスミドで形質転換した大腸菌(AR120株)を準備した。プラスミドをもった大腸菌を大量培養し、各タンパク質を100mg以上抽出精製した。各タンパク質の尿素によるアンフォールディングの転移曲線をペプチド領域のCDスペクトルを用いて測定した。その結果、期待通り、クラスI変異を持つタンパク質では、ペプチド二次構造が野性型のものより安定化し、クラスII変異を持つタンパク質では野生型のものより不安定化していることが明らかとなった。野生型タンパク質の尿素によりアンフォールドした状態からの巻戻り反応をストップトフロー法により誘起し、反応の速度過程を高速CD測定により追跡した。反応曲線は、黄色ブドウ球菌より抽出した野生型タンパク質について以前に得られている曲線と一致した。現在、各変異タンパク質の巻戻り反応の速度過程を同様の手法により追跡の途上にある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kuwajima,K.: "Secondary Structure of Globular Proteins at the Early and the Final stages in Protein Folding" FEBS Lett.334. 265-268 (1993)

  • [文献書誌] Kuwajima,K.: "Spectroscopic Techniques to Study Protein Folding c.Circular Dichroism" Methods in Molewlar Biology. (発表予定). (1994)

  • [文献書誌] 桑島邦博・伊倉貞吉: "蛋白質の折れたたみ機構" 蛋白質・核酸・酵素. (発表予定). (1994)

  • [文献書誌] 桑島邦博: "ストレス蛋白質の基礎と臨床,(一部執筆)" 中外医学社出版,永田和宏編集(発表予定), (1994)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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