研究概要 |
矮性トウモロコシ(D_8)には含まれず,正常トウモロコシに含まれている高親和性ジベレリン結合タンパク質(GBP-3)を単離,精製した。GBP-3は280KDuのタンパク質で,70KDaのサブユニットの4量体であった。GBP-3のcDNAクローニングを行うため,V8プロテアーゼで部分分解して得られた2つのペプチドについて,その部分的アミノ酸配列を決定し,その配列をもとにPCRプライマーを合成した。このプライマーを用いてRNA-PCR法で増幅し,電気泳動を行ったところ約600bpのバンドが観察された。このバンドをゲルより切り出して溶出し,T-tailed Bluescript(SK^+)を用いてTAクローニングを行い,JM105にトランスフォーメーションした。得られた3つのポジティブクローンよりプラスミドを精製し,EcoRIとHindIIIで切断後,インサートの確認を行ったが,いずれのクローンともインサートが確認できなかった。 次にGBP-3抗体を用いてクローニングすることに変更し,GBP-3をウサギに注射して抗血清を得た。この抗血清を用いて,正常種及びD_8から抽出したタンパク質についてウエスタン法で調べたところ,反応するペプチドは正常種のみに認められた。そこで正常種トウモロコシよりmRNAを単離してcDNAを合成し,λgt11に組みこんでcDNAライブラリーを作製した。GBP-3抗体を用いてスクリーニングしたところ,2個のポジティブクローンが得られた。現在このクローンの解析を進めているところである。
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