研究概要 |
1.新しい時計変異株の分離:主に温度感受性変異株の分離を行なった。これまでに約80種のそのような株を分離して、その時計の性質を高温に対する位相応答曲線の比較を含めて調査した。数種の興味ある変異株を発見した。これらは主に高温に対する位相応答曲線が野生株のそれと大きく異なっていた。 2.prdー1遺伝子のクロ-ニング:塩基配列の決定と、mRNAの同定に成功した。二種類のmRNAが発現しているようで、その一つの量は日周変動している可能性がきわめて高い。しかしいずれもtvbulin mRNAに比べると、はるかに微量でしか存在しない。したがって正確な量の比較が因難である。 3.カルシウム代謝変異株の分離とその性質:Caー23ー2とCaー19両遺伝子のクロ-ニングの準備を行なった。前著についてはシブ選択法で、1コスシドまで絞りこんだ。またCaー23ー2変異株についての生理学的性質を決定したので報告した。Caー19遺伝子は第一染色体のthiー1近傍数%のところにあることが分った。 4.細胞内カルシウム測定のための準備:カルシウム代謝変異株を用いてカルシウム代謝と生物時計の関係を知めためには、どうしても細胞内カルシウム濃度の決定を行なわなければならない。このために電気生理学的手法を導入すべく,その準備を行なった。目下アカパンカビ細胞に適したカルシウム電極の作成を行なっている。
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