研究課題/領域番号 |
03454017
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
久田 光彦 北海道大学, 理学部, 教授 (70000768)
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研究分担者 |
長山 俊樹 北海道大学, 理学部, 助手 (80218031)
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キーワード | 動物行動 / 定位行動 / ニュ-ロンネットワ-ク / クロコオロギ / 球型トレッドミル / 誘引歌 / 細胞内記録法 / 介在ニュ-ロン |
研究概要 |
オ-プンル-プ型トレッドミル球によるクロコオロギの定位接近行動の定量解折と、その結果を基礎としたニュ-ロンネットワ-ク機能研究の予備的実験を行なった。 1.雄のフ-リング・ソングによる雌の定位接近行動の定位方向、積算歩行距離・実接近距離(ベクトル量)などの各種パラメ-タ-を自道算出・記録するトレッドミル装置をさらに改良、長時間に渡ってデ-タの蓄績が確実に行なえるようにした。 2.トレッドミル球上で歩行中のクロコオロギの胸部背画クチクラを部分切除し、胸部神経節を露出し、細胞内記録流により、直接中枢ニュ-ロンの活動を同時記録できるよう、新たなトレッドミル装置の作成を試みた。この装置により、定位歩行中のコオロギの運動ニュ-ロン、あるいは、多くの介在ニュ-ロンの活動を同時に観察することが可能となり、音源定位歩行運動に対するニュ-ロンネットワ-クの材能をより詳細に解折できるようにした。しかし、現在のところ、記録はどちらかというと不安定で、比較的短時間で微小ガラス管電極が抜けてしまい、さらにこの実験系の改良が必要である。 3、歩行中のコオロギは、左右の前、中、後脚を協調的に働かせ、資源へと定位する。そこには、各体節間の中枢ニュ-ロンの活動を協調、制御する上行性あるいは下行性の介在ニュ-ロンが、大きな役割りを担っている。従来の蛍光色素を用いた染色法では、しかし、1つの体節内でのニュ-ロンの形態を明らかにすることしかできなかった。そこで、ABC抗体染色法を利用し、神経節間介在ニュ-ロンの全構造を染色できる技法を検討した。
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