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1992 年度 実績報告書

多種感覚入力の統合と出力形成機構

研究課題

研究課題/領域番号 03454024
研究機関岡山大学

研究代表者

山口 恒夫  岡山大学, 理学部, 教授 (60000816)

研究分担者 岡田 美徳  岡山大学, 理学部, 教務員 (10093676)
キーワード多種感覚入力 / 統合 / 出力形成 / 中枢神経系 / 節足動物
研究概要

1.情報伝達経路の解析とノン・ズパイキング巨大ニューロン(NGI)の機能同定:ザリガニの前脳に存在する5対のNGIは、視覚入力と重力入力に対してのみならず、歩脚の自己受容入力に対しても緩電位応答を示す。本年度はこの自己受容入力に対する応答性を詳細に解析し、次の結果を得た。(1)NGIが細胞体と同側の歩脚の上方への動きに対して脱分極性緩電位応答が、下方への動きに対して過分極性緩電位応答がそれぞれ発生する。(2)歩脚の運動振幅の大きさに比例して緩電位応答が増減する。(3)歩脚の運動速度が早ければ早いほど緩電位の振幅が増大する。(4)左右の歩脚を互いに反対方向に動かすと、緩電位応答に相乗作用が現れるが、互いに同方向に動かすと拮抗作用が現れる。(5)自己受容入力で発生する緩電位の振幅は、正常個体より平衡胞除去個体で、また明条件下より暗条件下で大きい。
2.歩脚の自己受容入力で駆動される補償運動: 歩脚の自己入力で駆動される眼柄、大触覚、尾扇肢の補償運動を解析し、次の結果を得た。(1)歩脚にローリング刺激を与えると、歩脚を上げた側の眼柄には上方への、下げた側の眼柄には下方への補償運動が現れる。また、歩脚の上がる側では、大触角が水平面内で体の長軸となす角度が増加し、尾扇肢が体の前後軸となす角度が増加する。(2)平衡胞から定常的な重力感覚が入力している正常個体では、歩脚のローリング刺激に対する眼柄、大触角、尾扇肢の応答は強く抑制される。複眼への光入力は眼柄の補償運動を強く抑制するが、大触角や尾扇肢の補償運動には弱い抑制効果のみ与える。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Yasuyama,K.,K.Kimura,T.Yamaguchi: "Proctolin-like immunorectivitry in the dorsal unpaired median neurons innervating the accessory gland of the male cricket,Gryllus bimaculatus" Zoological Science. 9. 53-64 (1992)

  • [文献書誌] 山口 恒夫・新井田 照美 岡田 美徳: "生物の視覚機構" O plus E. 149. 83-89 (1992)

  • [文献書誌] Yasuyama,K.,B.Chen,T.Yamaguchi: "Immunocytochemical evidence for involvement of RFamidelike peptide in the neural control of cricket accessory gland" Zoological Science. 10. 39-42 (1993)

  • [文献書誌] Hirota,K.,Y.Baba,Y.Sonoda,T.Yamaguchi: "Central projection of cricket giant interneurons and their behavioral functions" Naturwissenschaften.

  • [文献書誌] Okada,Y.,Furudate,T.Yamaguchi: "Multisensory responsiveness of the nonspiking giant interneurons in the brain of the crayfish Procambarus clarkii" Journal of Comparative Physiology.

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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