研究概要 |
ウニ胚から16細胞期に小割球を単離し、馬血清又はウニ胞胚腔内液存在下、20℃で培養すると、約15時間間目に虚足が生じ、その後約5時間目に骨片形成がはじまる。1)ウニ胚細胞はプロティンチロシンキナーゼをはじめ各種のプロティンキナーゼ、Gタンパク質(′93,DGD)を含み、インシュリンは虚足成長をひきおこす(′94a,DGD)ことを見出した。2)小割球由来培養細胞は、インシュリン受容体をもち(′94b,DGD)、インシュリン受容体は、培養細胞6時間目のあいだに、ミクロソームから細胞膜への移動によって、増加する(′94b,DGD)。3)インシュリン受容体とインシュリンの結合を競合的に阻害する物質が馬血清及び胞胚腔液に存在する(′94a,DGD)。4)インシュリン又は馬血清、胞胚腔液で細胞を処理するとタンパク質リン酸化が促進され、つヾいてRNA合成が活性化される。タンパク質リン酸化阻害RNA合成活性化を阻止し,アクチノマイシンDは、タンパクリン酸化を阻止せず、RNA合成を阻害し、インシュリンなどによるタンパク質リン酸化、RNA合成の活性化のおこる時期に限って、虚足成長を阻止する(DGD、投稿)。馬血清、胞胚腔内液は、虚足成長後もタンパクリン酸化、RNA合成率を高くたもち、この時期では、アクチノマイシンDは、虚足成長後の骨片形成に限って阻害する(DGD.投稿)。馬血清、胞胚腔内液は、インシュリン様物質以外の細胞間情報物質をもち、その物質が骨片形成を引きおこしていると考えられる。
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