研究概要 |
1.はじめに Rhodotorula属酵母によるフェノ-ルおよび塩素化フェノ-ルの分解性を検討した。また、2,6ージクロロフェノ-ルを1mM含有する培地においても生育する菌株を分離した。 2.方法 供試菌株としてR.glutinisを用いた。フェノ-ル類の分析はHpLCにより,分解物はGC/MSにより分析した。 3.結果 本酵母を1mMフェノ-ル培地にて培養した菌体(0.1g)を5mMフェノ-ル溶液50mlに懸濁し,経時的にフェノ-ルおよびDOC濃度を測定した。フェノ-ル濃度は8時間後に0.02mH,18時間後に0となった。続いて,フェノ-ル濃度が5mMとなるよう1日1回の割合で5回連続して投入したところ,5回とも培地中に残存するフェノ-ル濃度は,ほぼ0となり,添加したフェノ-ル量に相当するDOCの減少が観察された。標準培養菌体,フェノ-ル1mM、各モノクロロフェノ-ル0.2mH添加で培養した菌体を用いて各モノクロロフェノ-ル0.5mM溶液の分解率を比較した。2ークロロフェノ-ルの分解率はどの培養においても約10〜20%と低かった。3ー,4ークロロフェノ-ルの分解率は、フェノ-ルないし各モノクロロフェノ-ルの添加培養により、反応開始3時間後で3ークロロフェノ-ルが約33%から100%に,4ークロロフェノ-ルが約48%から100%へと増加した。18時間後には、添加したクロロフェノ-ル量に相当する量の塩素イオンが遊離された。代謝生成物としては、3ー,4ークロロフェノ-ルから4ークロロカテコ-ルの生成が認められた。本酵母は6種のジクロロフェノ-ルのうち,3、4ージクロロフェノ-ルに対する分解性が高かった。 トリハロメタンが検出された地下水より,単一炭素源として1mMの2,6ージクロロフェノ-ル含有培地に生育する菌株を分離した。
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