研究課題/領域番号 |
03454031
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
平山 けい子 山梨大学, 工学部, 文部教官助手 (40111778)
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研究分担者 |
雨宮 由美子 (社)山梨県薬剤師会環境衛生検査センター 第一検査課, 課長
平山 公明 山梨大学, 工学部, 文部教官助教授 (40107214)
風間 ふたば 山梨大学, 工学部, 文部教官助手 (00115320)
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キーワード | フェノール / モノクロロフェノール / Rhodotorula / 酵母 |
研究概要 |
1.目的 供試菌株として、Rhodotorula glutlnisを用い、フェノールとモノクロロフェノールの資代性、比増殖速度及び収率などのパラメータを算出した。また、菌体の固定化を試み、フェノールの処理実験を行った。 2.方法 フェノール類はHPLCにより、代謝物は、GC/MSにより、測定した。 3. 本酵母は、フェノールを単一炭素源として、よく利用した。比増殖速度は、0.12、収率は、0.61(g/g)であった。しかしながら、3-および4-クロロフェノールは、分解され、塩素イオンの遊離も観察されるものの、コントロールと同様の菌体収量となったことから、共酸化機構により分解されるものと考えられた。また、フェノール中間代謝物の同定により、オルト開裂を経て分解されるものと考えられた。3-および4-クロロフェノールの中間代謝物として、4-クロロカテコールおよびマレイル酢酸と考えられる物質が測定された。従って、脱塩素は、4-クロロカテコール以降すなわち、3-クロロムコン酸を経て、4-カルボキシメチレンブテノライドを生ずる時点で起り、次いで加水分解により、マレイル酢酸を生ずるものと考えられた。 菌体の固定代化を試みたところ、寒天、アルギン酸ゲルは、強度が弱くポリビニルアルコールは、未反応の分子による発泡に問題があった。キトサン、セルロース、多孔質ガラスの各担体による固定化について検討したところ、セルロース担体が、最も良好な結果が得られた。 脱塩素に効果のある酸化還元剤の選択、酸化還元剤による生成物として予想される有機物の酵母による資化性、ないし、塩素化フェノール分解性微生物については、現在検討中である。
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