研究概要 |
本年度の主な研究成果は次の通りである。 1.栽培品種8種,台木など19種,計27品種・系統を供試し自実結実性程度を調査した。栽培品種では‘恵'‘輝',‘ハリーマスターズジャージー'の自家結実性が強いこと。また,‘プリンセス'の自動的ならびに他動的単為結果性は‘恵'よりも強い傾向を示した。なお,アポミクシスを示す栽培品種は見当らなかった。 2.M.hupehensis×M.robustaの後代10個体を供試し,PCR法を用いたDNAフィンガープリントによって,交雑率を調査した。9個体で多型性が認められたことから,M.hupehensisは条件的アポミクシスを示すspeciesであることを再確認できた。なお,M.hupehensis及びM.robustaの葉色はそれぞれ,緑色及び赤色であるが,後代の葉色は多型性を示した。フィンガープリントの多型性と葉色の多型性との間に特定の関係を見出し難かった。 3.栽培品種17種,台木など3種を供試し,開花直前の花柱内S糖タンパク質と関連の強いRNase活性を調査した。RNase活性染色によるバンドは酸性領域(pl 5.5〜6.5)に多型性は認め難かったが、塩基性領域(pl 8.3〜8.7)に多型性が認められ,デリシャス,国光,紅玉及びゴールデンデリシャスのそれぞれを共通の血縁親とする4群に品種分類でき,自家不和合性に関与するS遺伝子数は少なくとも4〜5個と推定された。 4.遺伝子組換え植物の作出法を確立するために,アグロバクテリユウム法によるリンゴ台木マルバカイドウへの外来遺伝子(除草剤耐性遺伝子bar)の導入を試みたところ,遺伝子組換え植物の育成に成功した。
|