研究課題/領域番号 |
03454037
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
本吉 總男 岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (90230052)
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研究分担者 |
小倉 豊 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (60224193)
村田 稔 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (20166292)
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キーワード | アグロバクテリウム / 形質転換 / プロモーター / シロイヌナズナ / トマト / T-DNAタギング / FISH / 反復配列 |
研究概要 |
植物の遺伝子のクローニング及びマッピングの手法の確立をめざし、以下の実験を行った。1. シロイヌナズナの芽切片にバイナリベクターpGA482を含むアグロバクテリウムを接種し、多数の形質転換個体を得た。そのうち130個体の自殖後代をスクリーニングし、花序形質が異常な変異体を検出した。本変異体は、花軸の頂端の分裂組織が早期に花芽に変化し、茎頂の花は雌しべ、雄しべ、花べんが無秩序な異常花であったが、受精能力は正常であった。本変異体は、遺伝分析とサザン分析から、ある遺伝子にT-DNAが挿入されたものと判断された。そこで、T-DNAの隣接領域を回収し、その一部をプローブとして、正常なシロイヌナズナのゲノムDNAライブラリーから、相同領域をもつ10kb以上の断片を選択した。これにより、茎頂の分裂組織で働く遺伝子のT-DNAタギングに成功したと考えている。2. バイナリーベクターpBI101のT-DNAを改変し、カナマイシン耐性遺伝子のほかに、T-DNA右端近傍にプロモーターを欠失したβ-グルクロニダーゼ(GUS)遺伝子をもつベクターを構築した。このベクターを含むアグロバクテリウムをタバコ葉切片に接種し、生じた150のカルスにおけるGUS活性を組織化学的に調べたところ、2個のカルス内に一部の領域にGUS活性が見られた。この領域では、あるプロモーターがGUS遺伝子によりタギングされたと思われるが、なお検討する必要がある。このベクターは、シロイヌナズナを形質転換し得ることも確認した。3. シロイヌナズナのFISHによる染色体マッピングは、その染色体が極めて小型であるため困難であったが、180bpを基本とした反復配列をプローブとして用いたところ、動原体領域に位置付けられた。T-DNAをプローブとした形質転換体におけるマッピングは、まだ成功していないが、これは挿入断片が10kb以下であるためと考えられる。
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