研究課題/領域番号 |
03454041
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
作物
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
俣野 敏子 信州大学, 農学部, 教授 (00021080)
|
研究分担者 |
萩原 素之 信州大学, 農学部, 助手 (90172840)
井上 直人 京都大学, 農学部, 助教授 (80232544)
冨永 達 信州大学, 農学部, 助教授 (10135551)
氏原 暉男 信州大学, 農学部, 教授 (60021060)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1993
|
キーワード | ソバ / 生産力発現機構 / 受精・結実 / 地域性 / 日長反応性 / 温度反応性 / モデル化 |
研究概要 |
ソバはその利用度や作付け体系上種々の利点を持つが、収量は低く、また極めて不安定な作物の一つである。研究代表者等は日本国内各地、ヨーロッパ、カナダ等との広域にわたる比較栽培試験を長期間実施してきた。本研究はそれらで得られた生育や収量調査の結果と栽培現地の環境条件の関係の解析から、ソバの生産力の発現機構のモデル化を試みたものである。 ソバの生育相は茎葉の生長、花芽の分化・生長、開花、結実の過程が個体内部位により異なり、個体全体として見ると各過程が長く、相互の重なりが大きい。さらに、他殖生作物であり、個体変異が大きいので群落としてはさらに複雑な様相を呈する。そのために各過程に及ぼす環境の影響を把握する事が極めて困難である。この把握を容易にするために生育相のモデル化をまず行った。 次にそれぞれの過程に影響する環境要因と体内要因の影響を調査解析したが、主として花器の形成過程に及ぼす体内外要因を中心に調査し、モデル化のための補助資料とした。 また、受精と結実を支配する媒介昆虫の種類を調べ、主要昆虫については訪花行動を経時的に観察し、受粉状況および葯内花粉の残存状況と環境要因の測定を行い、受精率の決定要因をかなりのところまで明らかにし得た。 さらに、各栽培地の環境要因についての資料の補填も行った。 以上の補足的な実験を参考に、従来実施してきた広域比較栽培試験の結果と環境要因の関係を解析検討した。この結果、各地の温度、日長、降雨等の季節変動等とソバの生育状況、収量性との関係の地域特性はかなりモデル化して把握する事が可能となった。しかし、地域を越えた一般的多収穫モデルの策定にはさらに検討が必要と考えられる。
|