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1992 年度 実績報告書

作物性発現の環境ストレス応答機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 03454042
研究機関名古屋大学

研究代表者

武岡 洋治  名古屋大学, 農学部, 教授 (70023455)

研究分担者 和田 富吉  名古屋大学, 農学部, 助手 (20158702)
キーワードイネ小穂 / アブシジン酸 / 貫生 / 環境ストレス / 形態形成 / 雌ずい増生 / ナフタレン酢酸 / 性発現
研究概要

1)イネの茎頂を含む若い芽や幼葉ならびに幼穂内の構造を詳細に観察する目的で、これらの材料の調製方法を検討した。固定には非収縮性のアルデホド類の単独固定ないしこれとオスミック酸の二重固定を用い、光学顕微鏡用のパラフィンおよび樹脂による包埋法を行い、同時に透過電子顕微鏡観察用の樹脂包埋法を適用した。とくにスパー樹脂切片の脱樹脂法に改良を加え、イネなどにおいて高解像の光学顕微鏡像を得ることができた。同時に超薄切片法による透過電子顕微鏡観察をおこなうことにより光学顕微鏡像との対比法を確立した。これらの結果から従来より鮮明な組織・細胞切片による組織化学的解析の可能性が出てきたので、この研究を進めた。またクライオ走査電子顕微鏡を用いて幼穂や小穂の発達経過ならびに形態的な異常を生じた小穂の構造を観察した。
2)イネ苗条の冷温反応を数種の品種を用いて検討し、品種によって枯死、生育遅延、生長回復などの反応に若干の相違があることを見い出した。反応性を異にする品種を材料として、生育調査を行うとともに、上記の試料調製法による組織・細胞学的な観察を行い、茎頂不付近の構造発達に若干の相違を認めた。
3)小穂に形態的な異常を生ずる突然変異系統の発現形質を、季節的変動、高温ストレスおよび外生の生長調節物質(アブシジン酸、ナフタレン酢酸)の処理と組み合わせて検討した。解剖学的な調査により、この系統が稔実する種実から雌ずい増生および貫生体発現までの大きな変異を持っていることを明らかにした。
4)幼穂および小穂の発達経過ならびに前記の形態的な異常を発現する系統の小穂などをクライオ走査電子顕微鏡を用いて観察し、正常な穂の発達経過における穂重型と穂数型品種の形成過程の差異や異常形質発現の様相を解析した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] TAKEOKA,Y.: "Pistil hyperplasia in rice spikelets as affected by heat stress." Sex.plant Reprod.4. 39-43 (1991)

  • [文献書誌] HIROI,K.: "A study on the interspecific variation of spikelet structure in the genus Oryza." Jpn.J.Crop Sci.60. 153-160 (1991)

  • [文献書誌] WADA,T.: "Light microscopic observations on pollen and anther in rice (Oryzasativa L.) 2.Stages from early microspore to mature pollen." Jpn.J.Crop.Sci.61. 136-144 (1992)

  • [文献書誌] 和田 富吉: "スパー樹脂切片の脱樹脂法による光学顕微鏡観察の一改良." 日作紀.

  • [文献書誌] TAKEOKA,Y.: "Pistil hyperplasia in spikelets of a mutant strain of rice plants."

  • [文献書誌] TAKEOKA,Y.: "Reproductive Adaptation of Rice to Environmental Stress." JSSP-Elsevier Sci.Publ.B.V.Amsterdam, 226 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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