研究課題/領域番号 |
03454044
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
菊池 卓郎 弘前大学, 農学部, 教授 (90003425)
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研究分担者 |
塩崎 雄之輔 弘前大学, 農学部附属農場, 助教授 (50003471)
荒川 修 弘前大学, 農学部, 助教授 (70184265)
浅田 武典 弘前大学, 農学部, 助教授 (10003518)
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キーワード | 樹形 / 剪定 / 受光率 / 品質 / リンゴ |
研究概要 |
リンゴ果実生産において、果実品質と生産性に最も影響し、且つ栽培技術と関係が深い樹形及び剪定技術と果実の生産及び品質との関係についての基礎理論を確立することを目的として研究を行い、本年度は以下の結果を得た。 1.リンゴ樹冠内における葉と光の位置的分布の樹形による違いについて調査した。その結果、開心形樹では樹冠は6月中旬から7月上旬にかけて完成した。主幹形樹では、幹付近では葉が密生していたが比較的均等に散在し、開心形樹に似た葉の分布を示した。わい化樹では開心形樹や主幹形樹に比較して葉が密生している部分が多く、特に幹付近で葉が多かった。また、受光率の低い部位も他の樹形に比べて多かった。 2.種々の樹形の園地における光遮断率(light interception)を調査した結果、主幹形樹の園地では82-85%と非常に高い値を示し、開心形樹の園地では約75%と主幹形樹に比べて低いものの、これまでの欧米の報告に比べて非常に高く、限界に近い値と考えられた。 3.切り返し剪定が翌年の新梢成長に及ぼす影響について検討した結果、樹勢が強い樹では剪定によってやや新梢成長が促進されたが1/3剪定と2/3剪定との間には違いは認められなかった。一方、スコアリングによって樹勢が弱まった樹では新梢成長は1/3剪定で最も低く、無剪定と2/3剪定の間には違いは認められなかった。 4.受光率と果実(‘ふじ')の着色との関係について分光式色差計による反射率(520nm)から検討した結果、受光率が10%付近では反射率が急激に増加し着色が悪く、受光率が30-40%付近で反射率は最も低くなり着色は濃くなり、受光率10-40%では反射率は曲線的に減少した。これらの結果から、良好な着色には受光率30-40%必要であることが判った。さらに果実品質について、糖の蓄積等に関しては次年度に行うことになった。
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