研究概要 |
1.本年度の計画の第一は,測定系の組み上げと,そのテストであった.センサ-からの信号入力のデ-タの集録と計算に関わるプログラムを作成した.グラフ化のプログラムは現在作成中である.その他,市販のワ-ドプロセッシング・ソフト,計算ソフトを購入した. 2.本測定系の完成がおくれたため,既存のチャ-ト記録計を用して,キュウリとモモの果実の肥大生長と果実圧力の推移を継続して調査した.また,記録計の数が不足したため,不連続的ではあるが,いくつかの気象要因のデ-タを記録し,果実生長のパラメ-タとの相関を調べた. 3.果実の持つ圧力は,日照,特に直射日光に対して非常に敏感に反応した.これは直射日光が当たると,まず蒸散速度が変化することが原因と推測された.しかし,日光が当たってから圧力に変化が生ずるまでの時間が非常に短いことから,この蒸散の影響は細胞の膨圧の変化を通じたものではなく,細胞外の水圧の変化が関与している可能性もあると推測された. 一方,肥大生長の直射日光に対する反応は圧力の反応に比較して緩慢であった. 4.組立中の測定系ができあがれば,測定項目数の増加と時間的関係をこれまでよりも正確に捉えることができるので,さらに厳密な考察が可能となると期待される.
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