研究概要 |
30kgのわい性エンドウ種子を約5ア-ルの圃場(神戸大学農学部農場)に9月と10月の2回に亘って播種し,それぞれ約1箇月栽培して総量120kgの植物体地上部を収獲した。植物体は27個のダンボ-ル箱に詰め最寄りの冷凍倉庫会社に預け,ー20度で凍結保存し、随時一箱ずつ取り出して抽出処理に付した。このような大量抽出処理では経済的理由と火災等に対する安全対策から、従来の定量実験用の小規模抽出とは異なる行程をとるので,各行程ごとの収率を調べながら抽出作業を進めている。現在までに確立した抽出法は次の通りである。即ち、凍結植物の目方の4倍量のアセトンを加え、ウォ-リングブレンダ-で30秒間磨砕し、磨砕液を2日間5℃でかく拌する。これをろ過し、ろ液に1/5量のpH7.0、0.1Mのリン酸カリ緩衝液と1/4量のベンゼンを加えてかく拌し、静置して上層を取る(以下括孤内%は収率,88%)。これを濃縮して得られる中性画分を、約10倍量の目方のシリカゲルを詰めたカラムに加え、8:2のベンゼン/酢酸エチル混合溶媒をカラム容積の 倍量で多量の不純物を除く。次いで、2:8のベンゼン/酢酸エチルで溶出しAー1ー2、Aー1ー3、Aー2およびAー3を得る(80%)。このような工程で総収率70%で主な活性物質の粗画分を得るのに成功した。 次に使用予定のハイポ-ラスポリマ-(ダイヤイオンHP20、三菱化成)およびオクタデシルシラン処理シリカゲルの使用条件の検討を行った。 キャピラリカラムガスクロマトグラフを購入設置した。目下、カラム液相の種類とAー1ー3およびAー3の分析条件の検討を行っている。
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