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1993 年度 研究成果報告書概要

音響工学的方法によるトビイロウンカおよびコオロギにおける地理的変異の研究

研究課題

研究課題/領域番号 03454055
研究種目

一般研究(B)

配分区分補助金
研究分野 植物保護
研究機関佐賀大学

研究代表者

藤條 純夫  佐賀大学, 農学部, 教授 (50011911)

研究期間 (年度) 1991 – 1993
キーワードトビイロウンカ / 振動信号 / 地理的変異 / 翅型発現性 / 密度 / 遺伝的制御
研究概要

トビイロウンカは長翅型と短翅型という翅型二型を示すが、翅型発現性は基本的には遺伝的制御下にあり、大きな地理的変異があることを本研究室で明らかにしてきた。一方、トビイロウンカの雄は腹部を振動させ、それをイネを通して雌に伝えるコーリングシグンナルを発するが、その振動数(Pulse Repetition Frequency:PRF)にも地理的変異があることが知られており、当研究ではそうした地理的変異の成因を翅型発現性とPRFの両面から解析しようとした。
トビイロウンカ幼虫にイネ芽出し苗を与えて25℃、16時間日長下に高密度条件下で飼育し、得られた成虫を防音箱に入れ、高感度のマイクロフォンを通して腹部振動を録音し、音響解析装置によって1秒当たりのPRF値を求めた。一方、異なる密度条件下で幼虫を飼育し、成虫の短翅型の比率から翅型発現性を調べた。その結果、当研究室で選抜によって作出した黄褐色短翅型系統およびインドネシア産のトビイロウンカは短翅型発現性が極めて高くPRF値が60に近いのに対し、選抜によって作出した黒色長翅型系統、および最近九州地方に飛来した長翅型を高率に出現するものではPRF値は80に近い事が判明した。このように、短翅型発現性の強いものほどPRF値が低下することが認められ、PRF値は翅型発現性と関連して変異することが示唆された。そこで、本研究では、さらに雄の振動信号の生理的特性を調査したうえで、振動信号にもとづいた系統の作出を試みた。すなわち、長翅型の雄個体から、PRF値の高いものと、低いものを選抜し、それぞれを長翅型の雌と交配させることを続けた。その結果、3世代以後に両選抜群間のPRF値に有意な差が認められるようになった。また、若干ではあるが、高いPRF値選抜群は低い短翅型率を、低いPRF値選抜群は高い短翅型率を示すようになり、PRFは翅型発現性と遺伝的に相関がある形質であることが支持された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] S.MOROOKA & S.TOJO: "Maintenance and selection of strains exhibiting specific wing form and body colouration under high density conditions in the brown plant hopper,N.lugens" Applied Entomology and Zoology. 27. 445-454 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] S.TOJO & T.YOSHIGA: "Purification and characterization of three storage proteins in the common cutworm,Spodoptera litura" Insect Biochem.& Molecular Biol.24(in press). (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] S.Morooka & S.Tojo: "Maintenance and selection of strains exhibiting specific wing form and color under high density conditions in the brown planthoppeer, Nilaparvata lugens" Applied Entomology and Zoology. 27. 445-454 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] S.Tojo & T.Yoshiga: "Purification and characterization of three storage proteins in the common cutworm, Spodoptera litura" Insect Biochem.& Molecular Biol.24 (in press). (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1995-03-27  

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