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1991 年度 実績報告書

エリスロポエチンの糖鎖工学

研究課題

研究課題/領域番号 03454064
研究機関京都大学

研究代表者

佐々木 隆造  京都大学, 農学部, 教授 (60077378)

キーワードエリスロポエチン / 糖鎖の機能 / 糖タンパク質 / 細胞分化増殖因子
研究概要

エリスロポエチン(EPO)は赤血球前駆細胞の分化増殖を促進する蛋白質であり,赤血球の生産を制御する最も重要な因子である。1分子のEPO当り3箇所にN結合型糖鎖(Asn結合型)が,1箇所にO結合糖鎖(Ser結合型)が存在する。細胞分化増殖調節因子に結合した糖鎖の機能としては以下の機能が考えられる。(1)蛋白生合成過程での適切な立体構造形成及び生合成後の細胞外への分泌など,糖蛋白質の生産を行う細胞での機能,(2)分泌後の体液循環系における因子の寿命を規定する機能,(3)因子の標的細胞への作用過程における機能である。EPO遺伝子上の各々の糖鎖結合部位に部位指定変異を導入し,動物細胞で合成させた各変異体を解析し,EPOに結合した糖鎖の機能を解明することを目的として研究を行い,以下の成果を得た。
EPOのN結合糖鎖は受容体への親和力に影響するが,in vivo活性発現に必要ではない。糖鎖の存在,とくにシアル酸の存在はEPOの受容体への親和力を低下させる。糖鎖の存在はEPOを安定化する。またシグナル伝達強度に影響する可能性はあるが,証拠不充分である。N結合型糖鎖は,in vivo活性発現に必要である。糖鎖は血液中でのEPOに安定性を付与するだけでなく,より高いin vivo活性を発現するための未知の機能を担っている可能性がある。N結合型糖鎖の付加はEPOの生合成過程に重要であり,かつ極性分泌に必要である可能性がある。O結合型糖鎖は生物活性の発現,生合成過程に重要な働きはしておらず,その機能はなぞである。O結合型糖鎖はラットやマウスのEPOに存在せず,霊長類のEPOにのみ存在しており,なにか特別な機能を担っている可能性がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yamaguchi,K.: "Effects of siteーdirected removal of Nーglycosylation sites in human erythropoietin on its production and biological properties" J.Biol.Chem.266. 20434-20439 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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