研究概要 |
1.DPEタイプの光要求性草剤のなかで、最も高活性であるアシフロフェンエチル(AFE)の含まれるエステル官能基をアミドに置き換え,アルキル鎖長と活性の相関を求めた。その結果、アミド誘導体では長いアルキル鎖が活性低下の原因とはならないことを見出した。 2.上記の知見に基いて、アシフロフェンのカルボキシル基とセファロ-スゲルをエチレンジアミンで架橋したアフィニティ-ゲルを合成した。このゲルには1ml当たり3.3マイクロモルのアシフロフェンが結合していた。 3.植物個体や培養細胞から調製した葉緑体画分を破砕し、前記のアフィニティ-ゲルで処理を行った。しかし、これまでのところ、このゲルにより明確に保持されるタンパク質は検出されていない。この原因については現在追究中である。 4.DPEやNPIに対して親和性を示すタンパク質の候補として、作用の発現時に蓄積するポルフィリンIXと結合しているものを検索したところ、特徴的なタンパク質が検出された。電気泳動やHPLC解析により、このタンパク質のサイズは63Kdであることが判明した。 5.AFEをストレス原として、耐性を示すタバコ緑色培養細胞を継代選抜した。その結果、AFEに対して正常細胞の100倍程度の耐性を示すものが固定された。この細胞は、すでに固定されているNPI耐性株と類似した交差活性を示す。 6.これらの耐性変異培養細胞を、正常植物個体から誘導されて再分化能を保持する細胞と電気細胞融合を試みたが、目的とする融合細胞はまだ得られない。
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