研究課題/領域番号 |
03454074
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
水山 高久 京都大学, 農学部, 助教授 (00229717)
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研究分担者 |
福嶌 義宏 名古屋大学, 大気水圏研究所, 教授 (00026402)
小橋 澄治 京都大学, 農学部, 教授 (40026604)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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キーワード | パイプフロー / 表層崩壊 / 現地観測 / 森林水文 |
研究概要 |
本研究期間中のパイプフローに関する観測から分かったことを、整理すると次のようになる。 ・日頃流水の無い源頭部の凹地で7個のパイプが確認され、常時水が出ている下流端のパイプを加えると10個のパイプが存在する。降雨時の直接流出のほとんどがパイプからの流出である。 ・パイプからは、総降雨量がある程度あり、しかも降雨強度がある程度以上にならないと流出が起こらない。 ・パイプからの流量は降雨強度の変化と時間的によく対応する。・パイプからの流量には上限があり、パイプのサイズに規定されていると考えられる。 ・パイプを掘ってみたところ、いわゆるパイプになっているのは出口付近だけで50cmも掘ると礫の層に接続していた。したがって、パイプというよりは礫間流というべき状況である。 ・パイプからの流量はタンクモデルでよく説明することができた。 以上の結果は、これまで一様な浸透流を仮定して説明できなかった表層崩壊、土石流発生の生起時間が説明できる可能性を示唆している。しかし、スムーズに排水が続けば崩壊は発生しない。さらにもう一つのメカニズムが必要である。パイプ内では時々、今回見られたような侵食による落盤が発生し、それが地表近くの場合には礫も地表に排出されてパイプが形成される。そのような落盤が地中の奥で起こり、土砂がうまく排出されない場合は水圧の上昇が発生し崩壊に至ることもあろう。そのような現象が既往最大の流量下で発生すると考えると、崩壊現象とよく対応することになる。
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