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1992 年度 実績報告書

日本産主要広葉樹材のチロースおよびガム物質の組織学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03454078
研究機関北海道大学

研究代表者

大谷 諄  北海道大学, 農学部, 助教授 (30001465)

研究分担者 佐野 雄三  北海道大学, 農学部, 助手 (90226043)
船田 良  北海道大学, 農学部, 助手 (20192734)
キーワードチロース / ガム様物質 / 道管 / 放射柔細胞 / 軸方向柔細胞 / 道管柔細胞間壁孔 / 走査電子顕微鏡
研究概要

新たに北大和歌山演習林産22種を加え、日本産主要広葉樹50種の天然のチロースとガム様物質の発生、形態について走査電子顕微鏡を用いて調べた結果を以下に記す。 1)チロースおよびガム様物質が発生しはじめる部位:チロースは23種に存在した。環孔材12種のうち9種の孔圏のチロースは散孔材10種と放射孔材1種よりも早く(樹幹外方部で)発生した。3種を除く環孔材の孔圏では樹皮から1、2年輪目から発生していた。2種を除く散孔材では辺心材移行部から発生していた。ガム様物質は15種に存在した。環孔材3種のうち2種では散孔材12種よりも早く発生した。散孔材では辺心材移行部から発生した。 2)チロースおよびガム様物質が由来する柔細胞の種類:放射柔細胞と軸方向柔細胞の両方に由来するチロースは17種に、ガム様物質は11種に認められた。 3)チロースおよびガム様物質の発生と道管・柔細胞間壁孔の大きさとの関係:4種を除き、チロースが認められた樹種では道管・柔細胞間壁孔の道管側の孔口の長径が5μm,短径が2μm以上であったが、ガム様物質が認められた樹種ではそれ以下であった。 4)心材でのチロースおよびガム様物質の存在状態:チロースは、(1)泡状、(2)間隔をあけた泡状、(3)チロース壁が密着した1列状、(4)間隔をあけた1列状、(5)崩壊状の5タイプが存在した。これらのタイプは放射組織の構成及び軸方向柔組織の配列に密接な関係があることが認められた。(1)、(3)、(4)のタイプは多くの樹種に認められたが、接触・随伴型が(1)では最も多く含まれ(1)から(4)へ減少するが、接触隔離・独立型は(1)から(4)へ増加し(4)で最も多くなる。ガム様物質は、(1)隔壁状、(2)塊状、(3)小滴状、(4)薄膜状の4タイプが存在した。(1)、(2)、(3)の3タイプは12種のそれぞれの樹種に認められたが、それらのタイプは接触・随伴型と接触・独立型によって占められタイプ間の違いはなかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 斉藤 智子: "チロースの発生と形態についてのSEM観察(英文)" 木材学会誌. 38. 215-221 (1992)

  • [文献書誌] 斉藤 智子: "サクラ属3種における道管閉塞物のSEM観察" 日本木材学会北海道支部講演集. 23. 15-18 (1991)

  • [文献書誌] 斉藤 智子: "チロース、ゴム様物質の発生と形態" 日本木材学会北海道支部講演集. 24. 1-4 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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