研究課題/領域番号 |
03454079
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
奥山 剛 名古屋大学, 農学部, 助教授 (00023482)
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研究分担者 |
山本 浩之 名古屋大学, 農学部, 助手 (50210555)
木方 洋二 名古屋大学, 農学部, 教授 (40023395)
飯田 孝夫 名古屋大学, 工学部, 助教授 (50089843)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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キーワード | ラドン / 環境放射能 / 木造住宅 / 換気 / 無機建材 / 木材 / ラドンシーラント / 内装材料 |
研究概要 |
住宅内のラドン濃度について、住宅の工法や使用建材によるラドン散逸の現状を把握した。その結果、木造住宅の屋内ラドン濃度はRC造のそれより低く約2/3程度であることがわかった。さらに、木造住宅の床下の換気や床下地面からのラドン散逸を防ぐことによって低い値にできることも明らかとした。 RC住宅は木造住宅より高い値を示したとは言え、現在のところその濃度は健康に影響すると考えられるほどのものではなかった。ところが、年間を通して冷暖房され、屋外空気との換気が少ないRC建造物においては100Bq/m^3を越える例が多く見られた。これは、コンクリートなどの無機建材から散逸したラドンが、低い換気によって建物内に滞留した結果であると考えられる。すなわち、屋内空気の換気が低くなるとRC建物内のラドン濃度は高くなることを示すものである。 将来の日本の住宅事情を考える時、都市型RC造集合住宅が現在以上に多くなることは必至である。しかも、屋内空気制御装置が完備された住宅が主流を占めることになろう。その場合、上述のRC建造物、事務室と同様にRC造住宅においても高いラドン濃度となる住宅が増加することは想像に難くない。 ラドンの問題から無機建材の住宅への使用を制限することは非現実的であろう。その場合、無機建材からのラドン散逸を制限する技術的手法が有効となる。本研究では、ラドンシーラント(ラドン透過阻止材料)としての木材の性能を知ることを目的とした研究を行なった。 ラドンは気体であり、その娘核種を含めた平均半減期は40分と短いので、たとえ無機建材からラドンが散逸しても、数時間屋内へ散逸するのを制限すれば、屋内ラドン濃度を低下させることができると考えるのである。木村は調湿機能があり、その色、木目は人間の感覚に心地好い材料である。そのうえラドンシーラントとしての性能が付与されれば、将来の住宅の内装材料としての価値は大きいと考えるのである。 実験の結果、無機建材に直接薄板を貼った場合を想定した実験では、1mm程度の板で30〜40%のラドン低減をさせ得ることが明らかになった一方、高濃度ラドン気体については90%以上ラドン透過を阻止できることが明らかになった。
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