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1992 年度 実績報告書

蛍光抗体法による細胞壁形成の分子構築機構

研究課題

研究課題/領域番号 03454080
研究機関京都大学

研究代表者

伊東 隆夫  京都大学, 木質科学研究所, 教授 (70027168)

研究分担者 林 隆久  京都大学, 木質科学研究所, 助教授 (70231529)
キーワード細胞壁 / ディープエッチング法 / 急速凍結 / セルロースミクロフィブリル
研究概要

本研究の目的は、最近医学生物学分野でますます有力な手法として利用されてきている免疫学的な抗原抗体反応ならびに急速凍結割断法を木質細胞壁の形成の研究に応用して、細胞壁成分の堆積とこれら成分の堆積の制御機構に関する新しい知見を得ようとするものであった。
本年度には急速凍結・ディープエッチングした細胞壁の三次元的構造をとらえることにより細胞壁の分子構築機構を明らかにする研究が行われた。すなわち、ポプラの懸濁培養細胞において、(1)EDTA、4%KOH、24%KOHにより順次化学的に細胞壁成分をとり除く、(2)ポリガラクツロナーゼやペクトリアーゼの酵素により細胞壁成分をとり除く、の処理を行った後に細胞壁の急速凍結・ディープエッチングを行った結果EDTAや酵素処理によりペクチン質が除かれた壁では、細胞壁のMF間の空隙がコントロールより広がるのでペクチン質はMF間空隙の大きさを制御するものと推定された。アルカリ処理の場合、希アルカリではMF間の空隙がさらに広がるが三次元構造は維持される。一方、強アルカリ処理では三次元構造が壊される。これはセルロースのMFを結び付けているヘミセルロース成分が強アルカリにより抽出されたことにより、支えを失ったMFが重なりあったことによると推定された。一般に双子葉類の細胞壁の主要なヘミセルロースはキシログルカンであるのでポプラ培養細胞壁ではキシログルカンが細胞壁の三次元構造を維持する主要な因子であると考えられた。
強アルカリ処理によりMFが壊れて粒状化した構造が多数観察されたがこれは強アルカリによるマセレーションの結果生じたセルロースIIの可能性があり、今後電子線回析等の方法によりさらに研究する必要性が強くなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 伊東 隆夫: "植物細胞の構築と凍結技法" 電子顕微鏡. 27. 76-82 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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