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1993 年度 実績報告書

海洋細菌RNAの構成成分としてのテトロドトキシンと麻ひ性貝毒

研究課題

研究課題/領域番号 03454090
研究機関北里大学

研究代表者

児玉 正昭  北里大学, 水産学部, 教授 (40050588)

キーワード麻ひ性貝毒 / テトロドトキシン / 有毒渦鞭毛藻 / 細菌共生 / RNA
研究概要

有毒渦鞭毛藻あるいはフグ肝臓における細菌を分解してPSPあるいはTTXを遊離する酵素系の存在を検討しが有為な結果は得られなかった。筆者らは有毒渦鞭毛藻やフグの毒がこれら生物と細菌の共生関係により生産されると考えている。上記の粗酵素は細菌の共生により誘導される可能性も考えられたので本年度は有毒渦鞭毛藻およびフグにおける細菌共生に焦点を絞って検討した。
まず、有毒渦鞭毛藻Alexandrium tamarenseの無菌株を作製し、その細菌内に細菌成分が存在するか否かを細菌に対する抗体を用いるWestern blot法により検討したところA.tamarenseの抽出物中に細菌タンパクと同一成分の存在を認めた。さらに顕微鏡観察で細胞内の核とは異なる消化器官様の顆粒が上記抗体および DNA染色で染色された。このことは本顆粒中に細菌が存在することを意味する。すなわち細菌は細胞質にランダムに分布するのではなく特殊な顆粒中に閉じこめられた形で存在し、同顆粒中で増殖しながら消化されているものと考えられた。
次に有毒フグ肝臓を電子顕微鏡で観察したところこの場合は細胞質内に細菌が存在することを認めた。細菌と細胞質の間には反応は認められず、両者は共生関係にあると考えられた。そこで有毒フグに抗生物質を大量投与して飼育したところ、肝臓は無毒となり、これら肝臓中の細菌は消失していた。以上の結果から PSPおよびTTXによる生物の毒化には細菌共生が関与することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] M.KODAMA,S.SATO,T.OGATA,: "Alexandrium tamarense as a source of tetrodotoxin in the scallop Patinopecten yessoensis" Toxic phytoplankton blooms in the sea (Developments in Marine Biology). 3. 401-406 (1993)

  • [文献書誌] S.SATO,T.OGAWA,M.KODAMA: "Wide distribution of toxins with sodium channel blocking activity similar to tetrodotoxin andparalytic shellfish toxins in marine animals" Toxic phytoplankton blooms in the sea (Developments in Marine Biology). 3. 429-434 (1993)

  • [文献書誌] M.KODAMA,H.SHIMIZU,S.SATO,T.OGATA,K.TERAO,: "Infection of bacteria in the liver cells of toxic puffer--A possible cause for organisms to be made toxic by tetrodotoxin in association with bacteria" Toxic phytoplankton blooms in the sea (Developments in Marine Biology). 4(in press). (1994)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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