研究課題/領域番号 |
03454092
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
佐藤 裕一 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (90091644)
|
研究分担者 |
諸泉 利嗣 北里大学, 獣医畜産学部, 助手 (60230174)
佐藤 幸一 北里大学, 獣医畜産学部, 講師 (10110876)
|
キーワード | 物質移動 / 土壌水分ポテンシャル / 流出率 / 畑地温 / スラリー |
研究概要 |
平成3年度に引き続いて、平成4年度は、傾斜畑(面積403.6m^2、勾配7.7%、畑面長69.5m)において、家畜ふん尿スラリーを散布し、降雨や乾燥に基づく、畑地内での土中におけるスラリー成分(カリウム、硝酸、アンモニア、電気伝導度)の移動と分布を調査した。加えて、降雨によるスラリー成分の畑地外への流出移動や畑地温変動との関わりを調査した。スラリー移動の原因として、畑地内の水移動が主なものである。従って、降雨に伴う畑面流出水や土壌水分マトリックスポテンシャルの変化に注目しつつ調査、検討を行った。その結果は、以下のように要約できる。 (1).降雨に伴う畑地土壌水分マトリックスポテンシャルの変化は、降雨強度や降雨継続時間に関係するが、時間当り雨量が約10mm以上に達すると、ポテンシャルや土壌水分飽和度の増加が緩慢となった。畑面流出率は20〜50%の範囲であった。 (2).降雨前・後の畑縦断面(測点No.1〜10、深さ0〜50cm)におけるカリウムイオンは、降雨後畑地全表面で濃度が低下した。とくに、土壌水分マトリックスポテンシャルが増加した部分の濃度低下が見られた。硝酸イオンはカリウムイオンとは異った変化を示した。アンモニアイオンは降雨AおよびBで、とくに大きな変化は認められなかった。 (3).降雨に伴い、低位部側の土壌水分マトリックスポテンシャルが増加すると畑地温(0〜30cm深)が低下し、高位部側で高い傾向を示した。 (4).畑面流出水の中のスラリー成分は、いずれの降雨においても、散布したスラリー原液のほぼ1%以下と小さい値を示した。とくに、アンモニアの濃度が低い値を示した。
|