研究課題/領域番号 |
03454094
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
堀部 和雄 三重大学, 生物資源学部, 教授 (30024566)
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研究分担者 |
亀岡 孝治 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (90177600)
藤山 尭然 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (50024576)
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キーワード | 穀物乾燥 / 食味 / 経済性 / 放射乾燥 / 乾燥ハウス / 数学モデル |
研究概要 |
1.数学モデルの完成 対象とした除湿乾燥、乾燥機乾燥、乾燥ハウス利用通風乾燥の数学モデル化は、薄層乾燥理論を適用すればよい。しかし乾燥ハウス利用放射乾燥では、薄い籾堆積層の表面が太陽光と室内加熱空気で熱せられると同時に表面送風や層攪拌が行われる。したがって乾燥される籾の状態を考えると天候・ハウス操作により攪拌・送風、送風・無攪拌、無送風・無攪拌にわけられるので、それぞれについて数学モデルを構築した。送風・攪拌時には薄層乾燥が適用できるが、送風・無攪拌では熱伝導方程式と水分拡散方程式を連立したモデルを、また無送風・無攪拌では水分移動を無視し熱移動のみの数学モデルを考えた。これらのモデルの妥当性を検討するため室内実験を行った結果モデルによる計算値と実測値とはよく一致し、放射乾燥数学モデルは完成した。乾燥機乾燥、除湿乾燥、乾燥ハウス利用通風乾燥、乾燥ハウス利用放射乾燥の数学モデルを利用したシミュレーションにより各乾燥の性能、経済性の比較が可能になったので、経済性評価を現在検討中である。 2 経済性評価方法 乾燥機の新設・更新においてその選択が重要な問題となる。この研究でとりあげたように高乾燥速度・省力という観点以外に低コスト化、食味などの品質を加味した経済的評価を行う必要がある。ここではその選択基準として一般的に利用できる方法で提案した。すなわち排反案の選択では(i)寿命年数・資本利率が同一であれば現価法・年価法・終価法いずれも利用できるが、資本利率が同一で寿命年数が異なるときは年価法が有効である。(2)寿命年数・資本利率がともに異なるときは追加収益率法の利用が有効である。(3)原価比較法が利用できる。 3 食味評価 同一品種を同じように栽培・収穫・貯蔵した籾を利用して、乾燥ハウス利用放射乾燥と乾燥機乾燥の食味の相違を食味計・理化学的特性値で調査した結果、いずれの場合においても乾燥ハウス利用放射乾燥の食味が優れていることがわかった。官能検査による食味比較は現在検討中である。
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