研究課題/領域番号 |
03454103
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中里 幸和 北海道大学, 獣医学部, 教授 (60001525)
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研究分担者 |
太田 利男 北海道大学, 獣医学部, 助手 (20176895)
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キーワード | ^<45>Ca^<2+> / 小胞体 / 分泌顆粒 / ホールセルパッチクランプ / ニコチン電流 / 電位依存性イオンチャネル / Fura2 / 細胞内Ca^<2+>濃度 |
研究概要 |
申請者らは前年度、カフェインによるカテコールアミン分泌とCa^<2+>濃度の変化について検討し、 1)副腎髄質細胞にカフェインに感受性を持つCa^<2+>貯蔵部位(ストア)が存在する、 2)カフェインはこのストアからCa^<2+>を動員してカテコールアミン放出を起こす、 3)細胞外のCa^<2+>、Mg^<2+>及びNa^+はこのカフェインの作用に抑制的に働くことを見いだした。しかし、副腎髄質細胞内Ca^<2+>ストアの種類や性質など、その実態は全く不明である。それ故、本年度はCa^<2+>ストアになり得る副腎髄質細胞内小器官の特定、これらに対するカフェインまたはムスカリンの感受性、及びストアからのCa^<2+>放出に対する細胞外イオンの制御様式、更にカフェインと伝達物質によるカテコールアミン放出に関する相互作用について検討した。 1)先ずウシ副腎髄質組織をホモジナイズし、各細胞内小器官に対する^<45>Ca^<2+>の取り込み能を調べた結果、小胞体(endoplasmic reticulum)と分泌顆粒が高濃度の^<45>Ca^<2+>を取り込むことを見いだした。 2)取り込みは、高Cl^-下では両者同程度であったが、低Cl^-下(生理的環境に近い)では小胞体が分泌顆粒の約2倍に増加した。現在カフェインとムスカリンがこれらストアに作用する条件を検討中である。 3)モルモット潅流副腎を用い、アセチルコリン、高濃度KC1及びベラトリジン適用によるカテコールアミン放出がカフェインで抑制されることを見いだした。透過性CAMPやホルスコリンにはカフェインと類似の抑制作用はなかった。 4)ホールセルパッチクランプ下の単一分離髄質細胞に、アセチルコリンと脱分極パルスを与えたところ、ニコチン電流と電位依存性のNa^+、K^+及びCa^<2+>電流が記録された。 5)これら電流は何れもカフェインの細胞外適用によって可逆的に抑制された。 6)カルシウム蛍光指示薬のFura2を細胞内に負荷し、アセチルコリンを適用したところCa^<2+>濃度の上昇が見られた。カフェインはこれを可逆的に抑制した。
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