研究課題/領域番号 |
03454103
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎獣医学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中里 幸和 北海道大学, 獣医学部, 教授 (60001525)
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研究分担者 |
太田 利男 北海道大学, 獣医学部, 助手 (20176895)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | Ca^<2+>ストア / Ca^<2+>誘発性Ca^<2+>放出 / カフェイン / カテコールアミン / ホールセルパッチクランプ / ニコチン電流 / Fura2 / 細胞内Ca^<2+>濃度 |
研究概要 |
申請者らは、1984年にネコの潅流副腎を用い、ムスカリン受容体刺激によるカテコールアミン分泌は、細胞内に貯蔵されたカルシウム(Ca^<2+>)によって発現することを初めて提唱した。その後モルモット潅流副腎でもネコと同様の結果が得られることから、ムスカリン受容体にリンクした細胞内Ca^<2+>ストアは、種を問わず副腎髄質細胞に普遍的に存在することが示唆された。平成3年度は、ネコとモルモットの潅流副腎とモルモットの副腎髄質分離細胞及びウシ副腎髄質培養細胞を用いて、ムスカリン感受性以外のCa^<2+>ストアの存在の可能性を調べるために、カフェインによるカテコールアミン分泌とCa^<2+>濃度の変化について検討した。その結果、1)これら副腎髄質細胞にもカフェインに感受性を持つCa^<2+>貯蔵部位(ストア)が存在し、カフェインはこのストアからCa^<2+>を動員してカテコールアミン放出を起こすこと、2)細胞外のCa^<2+>とMg^<2+>、特にモルモットとウシではNa^+もカフェインの作用に抑制的に働くこと、3)リアノジンはカフェインによるカテコールアミンとCa^<2+>放出を完全に遮断するが、ムスカリン受容体刺激効果は一部抑制されるに過ぎないことを明らかにした。次いで平成4年度は、4)先ずウシ副腎髄質細胞内小器官に対する_<45>Ca^<2+>の取り込み能を調べ、小胞体(endoplasmic retlculum)と分泌顆粒が高濃度の _<45>Ca^<2+>を取り込むこと、5)モルモット潅流副腎で、カフェインはcAMPを介さずにアセチルコリン、高濃度KCI及びベラトリジン適用によるカテコールアミン放出を抑制することを見いだした。6)またホールセルパッチクランプ下の髄質細胞で、ニコチン電流と電位依存性のNa^+、K^+及びCa^<2+>電流が記録されること、7)これら電流及びアセチルコリンによる細胞内Ca^<2+>濃度の上昇は、共にカフェインによって可逆的に抑制されることを明らかにした。今後は、ムスカリン刺激をCa^<2+>ストアに伝達する細胞内機構の解明が急務である。
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