研究課題/領域番号 |
03454105
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
土井 邦雄 東京大学, 農学部, 教授 (70155612)
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研究分担者 |
局 博一 東京大学, 農学部, 助教授 (30142095)
塩田 邦雄 東京大学, 農学部, 助教授 (80196352)
高橋 英司 東京大学, 農学部, 教授 (50183439)
後藤 直彰 東京大学, 農学部, 教授 (70011989)
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キーワード | 脳心筋ウイルス / 後肢麻痺 / 中枢神経病変 |
研究概要 |
脳心筋炎ウイルスD株(EMCーD)接種マウスにみられる二相性の後肢麻痺の発現機序に関する2ケ年間の研究の初年度分として、下記のような効果が得られた。 1.第一相の後肢麻痺の発現機序については、中枢神経系の特定領域に分布する病変の形成過程とウィルスの増殖動態が、後肢麻痺の発症・推移と極めて良く相関するところから、いわゆるウィルスの直接的な中枢神経組織障害に起因することが確認された。現在、本実験系のマウスを用いて、神経行動学的解析を実施中である。 2.第二相目の後肢麻痺に関しては、先ず、動物数を増やして発症とその推移を観察し、実験ロットによる若干の差はあるものの、ほぼ第一相目の症状消失後6ー8週間で約20ー30%の個体で再発が起こることを確認した。現在、再発前後の個体の中枢神経病変部に浸潤している単核細胞のキャラクタリゼイションを、免疫病理学的手法およびFACS等を駆使して実施中である。また、マウス血清中の抗MBP抗体等、中枢神経組織に対する自己抗体の出現の有無を検討中である。 3.上記1),2)の実験系から得た中枢神経組織、特に脊髄の海綿様病変部周辺の組織を微細形態学的に検索し、ミエリン形成に預かるオリゴデンドロサイトの変化の推移を明かにした。 4.ウィルスタンパク検出用のin situ khybridization法に必要なプロ-ブの作製を開始した。 5.比較の目的で、マウス以外の動物種における中枢神経病変の発現と後肢麻痺の発症経過を検索した。特に、成熟個体では感受性のないラットの新生仔を使った実験で、興味深い所見が得られた。
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