研究課題/領域番号 |
03454107
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
大橋 秀法 岐阜大学, 農学部, 教授 (40001531)
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研究分担者 |
武脇 義 岐阜大学大学院, 連合獣医学研究科, 教授 (00021717)
小森 成一 岐阜大学, 農学部, 助教授 (70195866)
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キーワード | ニューロテンシン / 腸管平滑筋 / 興奮性神経伝達物質 / 電位依存性カルシウム電流 / GTP結合タンパク質 / 細胞内情報伝達系 / アパミン / プロテインキナーゼC |
研究概要 |
ニューロテンシン(NT)は、脳と腸に存在する13個のアミノ酸からなるペプチドである。しかし、その生理的役割は解明されていない。本研究では、腸管運動のNTによる制御について腸管片、筋条片及び単離平滑筋細胞などを用いて研究を行い以下の諸点を明らかにした。 1 鳥類の直結腸部では、新しい興奮性神経伝達物質の有力な候補物質である。 2 モルモットの腸管では、神経調節因子あるいは局所ホルモン的に作用して蠕動反射を制御している。 (1)その制御様式には部位差があり、腸管を下降するに伴って抑制性から興奮性に変わっていく。 3 腸管平滑筋を収縮及び弛緩させる。 (1)収縮効果は平滑筋に対する直接作用と壁在神経からAChを放出させる間接作用により発現する。 (2)弛緩効果は直接作用により発現し、ハチ毒のアパミン処置で消失する。 (3)直接収縮作用に関するレセプターは、口側から尾側に向かって分布密度が増加する。AChの放出作用に関するレセプターは小腸にしか分布していない。弛緩作用に関するレセプターは尾側から口側に向かって分布密度が増加する。 4 単離した平滑筋細胞から記録される膜電流反応を変化する。 (1)電位依存性カルシウム電流を増大する。 (2)上記効果の発現にはGTP結合タンパク質を介する細胞内情報伝達系が関与している。 5 ベータエスシンで化学的にスキンド化した筋条片の反応 (1)細胞内貯蔵部位からカルシウムを動員する作用は極めて弱いか欠けている。 (2)カルバコールとカフェインのカルシウム動員による収縮効果を増大する。 (3)上記効果の発現には百日咳毒感受性のGTP結合タンパク質、ホスホリパーゼC、ジアシルグリセロール、プロテインキナーゼCを介する収縮系のCa感受性増大が関与している可能性が高い。
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