研究課題/領域番号 |
03454111
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐々木 伸雄 東京大学, 農学部, 教授 (60107414)
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研究分担者 |
廉沢 剛 東京大学, 農学部, 助手 (70214418)
西村 亮平 東京大学, 農学部, 助教授 (80172708)
中山 裕之 東京大学, 農学部, 助教授 (40155891)
沢崎 徹 東京大学, 農学部, 教授 (00012047)
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キーワード | 乳牛 / 蹄疾患 / 慢性蹄葉炎 / 潜在性蹄葉炎 / 動脈造影 / 濃厚飼料多給 / エンドトキシン / 組織所見 |
研究概要 |
屠場から採取した乳牛後肢蹄53例に対し、バリウムを用いて背側中足動脈から動脈造影を行い、同時に蹄真皮の組織学的検査を実施した。その結果、組織学的には潜在性ないし軽度の慢性蹄葉炎と考えられる蹄が67.0%と高率を占めた。造影像では、主に末節骨内固有趾動脈の各部位に異常な峡窄ないし拡張像、あるいは蛇行像が認められ、蹄真皮の循環障害が、その血液供給路にも存在することが確認された。次に、分娩前後の乳牛における第一胃液ならびに末梢血中エンドトキシン(ET)濃度に関してみると、すべての牛で分娩後の濃厚飼料給与量の増加に伴って第一胃液ET値は大幅に上昇し、かつ給与量が多いほど高いET値を示した。しかし、その時の血中ET濃度はepisodicな上昇を示すにとどまり、必ずしも第一胃液ET値とは相関しなかった。一方、山羊に過量のでんぷんを投与した時の第一胃液ならびに血中ET値は、分娩牛におけるET変動とほぼ同様ではあったが、第一胃液ETと血中ET濃度は相関して変動する傾向が認められた。これらの結果から、蹄真皮における循環障害はその上部の動脈にまで影響する比較的慢性経過をたどっていること、ならびにその原因と考えられている第一胃で産生されるETは、それに相関した形で血中に出現する可能性のあることが示唆された。現在、山羊を用いて第一胃ならびに小腸の静脈にカテーテルを留置し、第一胃液ETの血中への移行に関して検索を実施している。
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