• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1992 年度 実績報告書

中枢神経系における化学伝達物質の放出機序に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 03454126
研究機関東京大学

研究代表者

立花 政夫  東京大学, 文学部, 助教授 (60132734)

キーワード網膜 / シナプス / 化学伝達物質 / カルシウル電流 / カルシウムチャネル / グルタミン酸 / カルシウムイオン / 網膜双極細胞
研究概要

中枢神経系におけるCa-伝達物質放出連関を調べた。実験材料として、キンギョの網膜から単離したON型双極細胞を用いた。パッチ電極による膜電位固定下でCa電流を記録すると同時に、パッチ電極から導入した蛍光性Caインジケータを使って細胞内遊離Caイオン濃度を測定した。また、単離した双極細胞から放出される興奮性アミノ酸は、ゲルタミン酸に高感受性を示す神経細胞(アメリカナマズ網膜から単離した水平細胞)を使って電気生理学的に実時間でバイオアッセイした。以下の知見が得られた。
1.双極細胞のCa電流を活性化させると、細胞内遊離Caイオン濃度は軸索終末部で急速に増加し、細胞体では遅延性に僅かな上昇が認められた。この現象は、軸索終末部と細胞体におけるCa緩衝能力の差異ではなく、Caチャネルの軸索終末部における局在によるものであった。
2.双極細胞へ流入したCaイオンの量が少ない場合には、流入量にほぼ比例して細胞内遊離Caイオン濃度の変化量は増加したが、流入量が多くなると遊離Caイオン濃度の変化量は頭打ちとなった。細胞内遊離Caイオン濃度の制御には、Ca結合タンパク質・Caポンプ・Na-Ca交換機構などの関与が示唆された。
3.双極細胞における遊離Caイオン濃度の増加はジヒドロピリジン系のCaチャネル阻害剤によって抑制された。一方、細胞内Ca貯蔵部位からCaイオンが放出されるとの証拠は今回得られなかった。したがって、細胞内遊離Caイオン濃度の上昇は、主にCaチャネルを介して流入したCaイオンによると考えられる。
4.双極細胞へのCaイオンの流入量が増すと興奮性アミノ酸の放出量は増加したが、流入量が多くなると放出量は飽和した。細胞内遊離Caイオン濃度と興奮性アミノ酸の放出量の関係については、現在検討中である。

URL: 

公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi