研究課題/領域番号 |
03454134
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
西 彰五郎 久留米大学, 医学部, 教授 (00080557)
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研究分担者 |
矢野 秀樹 久留米大学, 医学部, 助手 (60210308)
三原 智 久留米大学, 医学部, 助手 (40166103)
井口 敞惠 久留米大学, 医学部, 講師 (10080558)
吉村 恵 久留米大学, 医学部, 講師 (10140641)
東 英穂 久留米大学, 医学部, 助教授 (10098907)
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キーワード | 交感性節前ニューロン / fast EPSP / slow EPSP / slow IPSP / ノルアドレナリン / tachykinins / Ca依存性Kコンダクタンス / シグナル・トランスダクション |
研究概要 |
1.ネコ脊髄交感性ニューロンの速い興奮性伝達におけるシナプス前抑制 ノルアドレナリン(NA)はグルタメイト作動性神経終末のα受容体に作用してfast EPSPを抑制する。この抑制は、NAがα_2受容体を介してGタンパクを活性化し、過分極およびCa^<2+>流入の抑制を誘起することによることを示唆する結果を得た。 2.緩徐シナプス伝達に与かるアドレナリン受容体分布 SPNにはα_1およびα_2受容体が賦与されており、α_1受容体を介してslow EPSP、α_2受容体を介してslow IPSPが誘起される。α_1受容体は樹状突起に、α_2受容体は細胞体に、主として分布している結果を得た。 3.tachykinins(P物質およびneurokinin)の作用 P物質(SP)およびneurokinin A(NKA)は側角ニューロンに膜抵抗の増大する脱分極を誘起する。この脱分極はTTXに影響されず、Coや低Caによって遮断される。また、SPおよびNKAによる脱分極発生時スパイクに続く緩徐後過分極電位も抑制され、この脱分極がCa依存性Kコンダクタンスの減少によることを示した。本結果はP物質と関連ペプチドに関する国際シンポジウムで発表した。 4.マイスナー神経細胞の緩徐抑制性および興奮性シナプス伝達に関与するシグナルトランスダクション ノルアドレナリン性slow IPSPはつぎの2つの機序によって誘起される結果を得た。(1)百日咳毒素感受性Gタンパクの活性化によってKチャネルを開孔する。(2)百日咳毒素感受性Gタンパクの活性化によってIP_3を産生し、細胞内Ca貯蔵部位からのCa遊離を促してcalmodulin依存性にKチャネルを開く。 tachykinin性slow EPSPは百日咳毒素非感受性Gタンパクの活性化にひき続くKチャネルの閉鎖によって生じている結果を得た。
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