研究課題/領域番号 |
03454140
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
安孫子 保 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90041821)
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研究分担者 |
矢沢 和人 旭川医科大学, 医学部, 助手 (90212274)
橋爪 裕子 旭川医科大学, 医学部, 助手 (00154021)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | 細胞内カルシウム濃度 / 心筋細胞 / fura-2 / カルシウムパラドックス / β-遮断薬 / ベラトリジン |
研究概要 |
本研究は、カルシウムパラドックスという現象を利用して、心筋細胞膜が破壊されるメカニズムを調べ、しらべられたメカニズムからどんな薬物が細胞膜の破壊を阻止できるのかを検討したものである。 分離心筋細胞において、カルシウムフリーにしてふたたびカルシウムをくわえると、細胞の細胞内カルシウム濃度の調節機能が障害されて、細胞内カルシウム濃度が正常の値をこえて上昇した。ジルチアゼムとプロプラノロールは、この細胞内カルシウム濃度の上昇を抑制した。 ラット左心房標本でのカルシウムパラドックスの実験から、発生張力と細胞内カルシウム濃度とは、パラレルではないことがわかった。カルシウムフリーの栄養液での潅流の間に、とくに拡張時の細胞内カルシウム濃度調節機構が、障害されることがわかった。プロプラノロールは、この障害を抑制した。 ナトリウムチャネル抑制作用があって、脂溶性の高い薬物(dl-ならびにd-プロプラノロール、l-ならびにd-ペンブトロール、ニソルジピン、ジラゼップ)は、ベラトリジンによる心筋細胞のナトリウムならびにカルシウムオーバーロードによる細胞障害を抑制した。このことから、ナトリウムチャネル抑制作用は、心筋細胞の細胞障害を抑制するのに重要な役割をはたしている可能性が示唆された。 ラット潅流心臓において、虚血再潅流障害に対するd-プロプラノロールの作用は、dl-プロプラノロールの作用と大きな差がなかった。このことより、ナトリウムチャネル抑制作用は虚血再潅流障害から心筋を保護するのに関与している可能性が示唆された。 本研究の成果から、細胞膜のナトリウムチャネルを抑制する作用が、心筋をカルシウムパラドックスや虚血再潅流障害から保護するのに、重要である可能性が示唆された。ナトリウムチャネル抑制作用に関しては、いままであまり重要と考えられていなかった。したがって、これからの新しい心筋保護薬の開発に新しい試金石を投じたということができる。
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