研究課題/領域番号 |
03454145
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
安部 陽一 香川医科大学, 医学部, 教授 (10047227)
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研究分担者 |
玉置 俊晃 香川医科大学, 医学部, 助教授 (80179879)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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キーワード | 腎循環 / 腎血流量 / 糸球体濾過量 / 単離輸入細動脈 / 糸球体 / 血管内皮由来拡張因子 / バゾプレシン / L-ニトロ・アルギニン |
研究概要 |
腎臓には、他の臓器と異なり、2つの抵抗血管がある。糸球体をはさんで輸入細動脈と輸出細動脈が直列につながり、両細動脈の収縮・拡張により腎血流量と糸球体濾過量が調節されている。本研究では、腎循環の調節因子であるアンジオテンシンII(AngII)と抗利尿ホルモン(アルギニン・バゾプレシン:AVP)に注目し、AngIIやAVPの腎血管に対する作用および血管内皮由来拡張因子(EDRF/NO)によるこれらペプチドの作用修飾について、in vitro、in vivoの両実験系で検討した。 1)in vitroの実験:ウサギ腎臓から輸入細動脈のみ(AA without glomerulus)および糸球体を付着させた輸入細動脈(AA with glomerulus)をそれぞれ単離した。AA without glomerulusに、AngII、AVP10^<-6>M添加しても全く収縮が認められなかった。しかし、AA with glomerulusにAngII、AVPを添加すると、輸入細動脈が入る部位で局所的な収縮が観察された。この収縮は、AT_1、V_1受容体拮抗薬でそれぞれ抑制された。EDRF/NO合成阻害薬(L-NNA)の添加は輸入細動脈の内径を20%低下させた。AngIIおよびAVPの輸入細動脈収縮作用は、L-NNA処置により著明に増強された。なお、V_2 agonistであるdesmopressinは、輸入細動脈を拡張させた。 2)in vivoの実験:AVPを麻酔イヌの腎動脈内に注入すると、一過性の腎血流量の低下に続いて、注入開始3〜5分で安定した腎血流量の低下が観察された。V_1受容体遮断薬処置下では、逆に、腎血流量は増加、即ち腎血管抵抗(RVR)が低下した。このRVRの低下は、V_2受容体遮断薬により消失した。EDRF/NO合成阻害時では、V_2受容体を介する腎血管の拡張が消失した。しかし、L-arginineによりその拡張作用は再出現した。L-NNA処置下では、AngIIの腎血管収縮作用は著明に増強された。しかし、L-NNAは、レニン分泌に影響を与えなかった。 以上、AngII、AVPは、EDRF/NOにより腎血管に対する作用が大きく修飾される。特に、AVPは、腎血管収縮、拡張の両作用を持つ。拡張作用は、V_2受容体を介するものでEDRF/NOによることが解かった。しかし、AngIIのEDRF/NO合成・遊離促進は、直接作用によるかどうかは不明で今後の研究課題である。
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