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1992 年度 実績報告書

移植拒絶反応及び自己免疫疾患の病態におけるIgD-IgD受容体系の関与の研究

研究課題

研究課題/領域番号 03454156
研究機関東京大学

研究代表者

江川 滉二  東京大学, 医科学研究所, 教授 (00012724)

キーワードIgD / Qa-2抗原 / Q5遺伝子 / 胎児性抗原
研究概要

癌に対する生体反応におけるIgDの関与を主として研究した。これまでに、癌細胞表面のQa-2抗原に対して、担癌宿主が抗Qa-2 IgDを生産することを明らかにして来た。このIgDの認識標的の一つであるがQa-2癌抗原の本態について解析を行なった。その結果、正常リンパ球に同種異系抗原として表現されるQa-2抗原がマウス第17番染色体のQa/Tla領域のQ7遺伝子の産物であるのに対して、細胞の癌化に伴って現われるQa-2抗原は、これと異なるQ5遺伝子の産物であることを、生化学的、免癌学的、及び分子生物学的に明らかにした。Q5遺伝子産物が担癌状態でなぜIgD生産のような特殊な反応を惹起するのかについて考察した結果、Q5遺伝子が胎児の一時期に発現しているのではないかと考え、これについて検討した。その結果、Q5遺伝子はマウス胎生13-16日に肝臓に於て発現していることが明らかとなった。この知見はIgD応答の成り立ちについて大きい示唆を与えるものと思われる。一方、IgDはこれまで生理活性の全く不明なイムノグロブリンであるが、その活性として、細胞介存性の標的細胞障害反応を行うことをほぼ明らかにした。そのエフェクター細胞のクローンを樹立し、これがCD3^+4^-8^-でα/β型T細胞受容体をもつリンパ球であることを明らかにした。この反応の存在を確立するためにIgDクラスの抗Qa-2モノクローナル抗体の作製を行なっている。このためにELISAによる抗原特異的Igdの微量検出法を案出し、またハイブリドーマ作製の親細胞として用いるミエローマ細胞にも表現されている癌拡原に対するモノクローン抗体の新らしい作製法を考案した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 瀬尾.岡崎.中西.伊藤.谷野.松平.高橋.江川: "Expression Qa-2^K phenotyne encoded by the Q5^K gene on the swface of tumor cells derived from H-2^K mice" Journal of Expeimental Medicine. 175. 647-654 (1992)

  • [文献書誌] 谷野.瀬尾.岡崎.中西・伊藤.関亦.江川: "Detection of allogeneic Qa/TL and L/ specificities on murine tumor cells with IgD tumor-regcossor serum" Cancer Immunology and Immunotheapy. 35. 230-236 (1992)

  • [文献書誌] 岡崎.中西.伊藤.谷野.滝口.江川: "Recogvition of the Qa-2^K tunor antigen by T cell recepta δ/δ of an immunopotentiator-induced tumoricidal T cellof mice" Cancer Immunology and Immunotheapy. 36. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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