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1991 年度 実績報告書

細菌感染防御における好中球活性酸素産生の意義:重篤な感染を惹起する産生異常の解析

研究課題

研究課題/領域番号 03454181
研究機関東京大学

研究代表者

金ケ崎 士朗  東京大学, 医科学研究所, 教授 (10012767)

研究分担者 上野 郁子  東京大学, 医科学研究所, 助手 (60012738)
大海 忍  東京大学, 医科学研究所, 助教授 (20160046)
キーワード食細胞 / 活性酸素 / 慢性肉芽腫症 / 殺菌 / スパ-オキシドアニオン / シトクロ-ム / 重傷熱傷患者 / 電子スピン共鳴
研究概要

好中球、マクロファ-ジ等の食細胞は、細菌感染に際し動員され、細菌などの異物貪食に際し大量の酸素を還元して毒性の強い活性酸素に変換する。この機能を遺伝的に欠く疾患(慢性肉芽腫症ーCGD)では効果的な殺菌が行えず、重篤な感染を繰り返す。したがって、感染抵抗性の維持には、これら食細胞の正常な活性酸素放出能の維持発現が必須であると考えられる。既に明らかにしてきたように、これらの細胞は刺激により直接にはスパ-オキシドアニオン(O2-)のみを産生し、他の酸素分子種は二次的に生じる。昨年度は、これに直接関与すると考えられる、食細胞の形質膜に存在する特殊なシトクロ-ムの性質を明らかにするため、無傷好中球をヘリウム温度(-268度)で電子スピン共鳴スペクトルをとるのに世界で初めて成功した。この結果、このチトクロ-ムの第5第6配位子はヒスチジンのイミダゾ-ルと考えられること、アミノ酸配列から考察するとヘムは大小2つのサブユニットの中間に存在すると考えられること、その配位子の状態から、非常に低いその酸化還元電位を良く説明できることなどを明らかにした。またス-パ-オキシド産生に必要な可溶性画分の因子の一つを初めて分離精製し、その性質を明らかにした。さらに、この可溶性画分蛋白質やシトクロ-ム大小サブユニット各部に対する抗体の分離に成功した。昨年度に引き続き、末梢血中の好中球が放出する活性酸素のレベルを血液化学発光として測定し、その測定が重傷熱傷患者の好中球機能とオプソニン活性をモニタ-するのに極めて有用であることを確かめ、これを一層確実なものとした。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Ono,Y.O.Kunii,S.Kanegasaki:"Defect of opsonophagocytic function in burned patients:Reversal by transfusion of normal palsma or by cell wallーactive antibiotics." Antibiot.Chemother.44. 115-119 (1991)

  • [文献書誌] Ueno,I.,S.Fujii,H.OhyaーNishiguchi,T.Iizuka,S.Kanegasaki:"Characterization of neutrophil bーtype cytochrome in situ by electron paramagnetic resonance spectroscopy." FEBS Lett.281. 130-132 (1991)

  • [文献書誌] Kanegasaki,S.,S.Kobayashi,F.Kuribayashi,M.Nakamura and S.ImajohーOhmi:"Superoxide generating system in human B lymphocytes and in some leukemiaーlymphomacell lines." 5th International Congress on Oxygen Radicals.70 (1991)

  • [文献書誌] Ishimura,Y.,T.Tanaka,R.Makino and S.Kanegasaki:"Purifictaion of 63ー and 47ーkDa cytosolic factors involved in acativation of porcine neutrophil superoxideーgenerating system and their roles in the reconstituted system." 5th International Congress on Oxygen Radicals.73 (1991)

  • [文献書誌] Ueno,I.H.Fujii,H.OhyaーNishiguchi,T.Iizuka and S.Kanegasaki: "Molecular properties of cytochrome b558,an essential component in superoxideーgenerating system in phagocytes and B lymphocytes:Analysis by electron paramagnetic resonance spectroscopy." 5th International Congress on Oxygen Radicals.111 (1991)

  • [文献書誌] 斧 康雄,国井 乙彦,阿部 浩一郎,鈴木 宏昌,小林 国男,金ケ崎 士朗: "重傷熱傷感染症の集約的治療ー全血化学発光測定の意義" 化学療法の領域、メディカルレビュ-社. 7. 502-509 (1991)

  • [文献書誌] 金ケ崎 士朗: "白血球による活性酸素の産生とその異常フリ-ラジカルと病態" 学会出版センタ-, (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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