研究概要 |
1.マレック病(MD)発症関連領域の塩基配列解析:MD発症関連ゲノム領域である。9.3kbの塩基配列決定により14個のORFを見いだした。転写活性が認められるORFの内、大腸菌プラスミド数を調節する遺伝子やKチャンネルに関与する遺伝子とホモロジーが認められたことは興味深い。現在そのコード蛋白を同定中である。 2.MDV1-US3遺伝子産物の同定:MDV1-GA株の70%のUs領域と一部のIRs領域を含む8.9kbのDNA断片の塩基配列を決定した。9つのORFを見いだし、その内4個は単純ヘルペスウイルスのUS10、US3、US2、US6(糖蛋白gD)遺伝子とホモロジーをもつことを明らかにした。このUS3遺伝子がプロテインキナーゼをコードすることを昆虫ウイルスベクターを用いて明らかにした。 3.組換え体MDVIワクチンの構築:大腸菌lacz遺伝子を22カ所のMDV1 DNA に相同組換えにより挿入させたが、4カ所が安定な挿入部位であることを見いだし、そのうち1の項で示したUS10とUS3の両遺伝子領域に挿入した組換え体MDV1は培養細胞で母株同様の増殖がみられ、in vivo でMDV1に対する防御能力を示した。 4.MDV2 DNAの制限酵素切断地図作成:MDV2 DNAのBamHI,EcoRI,XhoI切断地図を作成した。また、3つの血清型のゲノムはcollinearであることを示した。
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