• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

インフルエンザウイルス感染における多面的病因論の分子病理学的研究:特に活性酸素とブラジキニンの関与

研究課題

研究課題/領域番号 03454189
研究機関熊本大学

研究代表者

前田 浩  熊本大学, 医学部, 教授 (90004613)

研究分担者 安藤 正幸  熊本大学, 医学部, 教授 (00040204)
赤池 孝章  熊本大学, 医学部, 助教授 (20231798)
キーワード補体 / インフルエンザウイルス / ダニプロテアーゼ / ブラジキニン / ハウスダスト / 環境因子
研究概要

本年度は、家ダニ(Dermatophagoides farinae)由来のセリンプロテアーゼ(Df-protease)のインフルエンザウイルスの感染性増強作用および病原性増強作用について、フェレットのインフルエンザウイルスの上気道炎モデルを用いて検討した。さらに、Df-proteaseの炎症誘発機構を解析するために、主に、補体系の活性化能について検討した。
その結果、Df-proteaseは昨年報告したマウスインフルエンザウイルス肺炎モデルにおけるin vivoでのウイルス増殖促進作用のみならず、フェレットの感染系においてもその増殖を有意に(約10倍)に亢進させることが明らかとなった。
一方、本プロテアーゼは、ヒトの補体系の因子であるC_5、およびC_3に直接作用し、アナフィラトキシンとして知られるC_<5a>,C_<3a>を放出する強い活性を有することが明らかとなった。
以上の知見は、家庭内のハウスダスト中に存在するプロテアーゼが、インフルエンザウイルス増殖促進能を有していることを示している。さらに、我々は、Df-proteaseが、その強いキニン生成能により、著明な血管透過性亢進作用を発現することを見出しており、インフルエンザウイルス増殖促進活性に加え
この様なキニン生成活性、あるいは本年度見出した補体系活性化作用により、本プロテアーゼがインフルエンザウイルスの伝播、病態修飾因子として作用する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] K.Maruo et al.: "Effect of microbial and mite proteases on low and high molecular weight kininogens." J.Biol.Chem.268. 17711-17715 (1993)

  • [文献書誌] 松島瑞子、前田浩、他: "家ダニプロテアーゼとアレルギー" 蛋白質・核酸・酵素. 38. 2734-2739 (1993)

  • [文献書誌] H.Maeda et al.: "Agents and Actions,Protease,Protease Innibitors and Protease Derived Peptide (eds,J.C.Cheronis and J.E.Repine)" Birkh〓user Verlag AG,Switzerland, 7 (1993)

  • [文献書誌] T.Akaike and H.Maeda: "Basic and Clinical Aspects of Pulmonary Fibrosis.(ed.T.Takishima)" CRC press,Florida,(in press), (1993)

URL: 

公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi