研究課題/領域番号 |
03454190
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
浦沢 正三 札幌医科大学, 医学部, 教授 (00045379)
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研究分担者 |
後藤 仁 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (20003072)
千葉 峻三 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50045374)
谷口 孝喜 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40094213)
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キーワード | ロタウイルス / RNAーRNAハイブリダイゼ-ション / ロタウイルス遺伝子 / RNA塩基配列 / ウイルス進化 |
研究概要 |
本研究は、ヒトおよび各種動物由来ロタウイルスについて、RNAーRNAハイブリダイゼ-ションおよびウイルスRNAの塩基配列の決定により、各種ロタウイルスの遺伝的近縁性、ひいてはその生態と進化を明らかにすることを目的とする。 1.従来異なるロタウイルス株遣伝子相互間の総体的類縁性はRNAーRNAハイブリダイゼ-ションにより検討され、ヒトロタウイルス(HRV)については亜群IIに属するHRV(血清型1、3、4、9型を含み、仮に第1群と呼ぶ)、亜群Iに属するHRV(血清型2、8型、第2群と仮称)、これらのいずれとも異なるHRV(AUー1株ほかを含む、第3群と仮称)に大別されている。そこで本研究では現在までに分離報告された各種の動物ロタウイルスを海外の研究者より分与を受け、交叉ハイブリダイゼ-シヨンによりヒトと動物ロタウイルスの遺伝的近縁性を検討した。 2.近年我々がフィリピン人小児より分離した亜群I、血清型12HRV(L2b株)は上記第2群に属することが判明した。 3.タイの下痢症の患牛より多数の株を分離した。そのうちの1株A5株は、従来主としてヒトから分離された血清型8に属し、他は10型と同定された。従来の分離株(血清型6、10)を含めウシRV相互間の遺伝的関係を検討した結果、血清型の相違にかかわらず、A5株を含むこれらのウイルスは同一動物種(ウシ)内でかなり高い相同性を有していた。 4.また各型のウシRVはHRV69M株(血清型8、亜群I)と中等度の近縁性を示し、69M株以外の第2群HRVともある程度の近縁性を示したが、第1群HRVとは殆ど無関係であった。 5.PCRによるVP7遺伝子の増幅とこれによる血清型別(serotyping)の方法を確立した。
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