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1992 年度 実績報告書

抗体遺子伝クラススイッチ機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 03454196
研究機関京都大学

研究代表者

山岸 秀夫  京都大学, 理学部, 助教授 (90025429)

研究分担者 清水 章  京都大学, 遺伝子実験施設, 教授 (00162694)
キーワード抗体遺伝子 / クラススイッチ組換え / Sα領域 / 完全塩基配列 / スイッチ組換え点 / 階層的反復配列 / 80塩基反復単位 / 染色体対合
研究概要

TGF-β存在下LPS刺激により成熟マウス脾細胞はIgMからIgAへのクラススイッチを行う。このクラススイッチ組換えの産物としての環状DNAを解析することにより、IgAスイッチ領域Sα上に組換え点を同定した。しかしその組換え点の中には、従来構造的に定義されたSα領域の上流にはみ出すものが存在した。そこでSα周辺領域の完全塩基配列を決定し、組換え領域の構造上の特徴を明らかにしようとした。これまでに染色体DNA配列としては、上流転写開始領域Iα周辺597塩基、Sの領域の中央部1432塩基、IgAの定常領域1667塩基が知られていたがそれぞれの間に2237塩基と1324塩基の空白部分が存在していた。空白部分は高度反復領域であるので、環状DNAとして周定された部分以外は、染色体DNAより種々の欠失断片を作成して決定した配列を再構成することにより空白部分をうめ、全長7255塩基配列を完成した。全塩基配列に対してホモロジーマトリックスを作成し、627-4806に亘る4.2kbの反復配列の特長を明らかにした。すなわち、その中央部分にCTGAGが13回反復したDR1領域とAGGAGが26回反復したDR2領域が存在するが、それ以外はCTG(A/G)Gの反復配列を基調としている。しかもこの根源的な5塩基配列は、10塩基、20塩基、80塩基、800塩基といった高次の反復単位を階層的に形成していた。クラススイッチ領域相互の相同性はかなり高いが、Sαの反復単位を特徴づけるのは80塩基の反復単位である。4.2kbの全反復配列内における80塩基反復単位の分布をしらべたところ、スイッチ組換え点のほぼ全てがその上に検出された。このことは、クラススイッチ組換えは、7または9塩基の短い塩基配列を認識するV(D)J組換えと異り、組換えに先立ってGC含量に冨む配列間の数10塩基以上の対含を前提とする非相同組換えであることを示唆する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 山岸 秀夫: "抗体のクラススイッチと環状DNA" 代謝増刊号「免疫'91」. 28. 123-129 (1991)

  • [文献書誌] Takuji Iwasato: "Biased distribution of recombination sites within S regions upon immunoglobulin class switch recombination induced by TGFβ and lipopolysaccharide" The Journal of Experimental Medicine. 175. 1539-1546 (1992)

  • [文献書誌] Hiroshi Arakawa: "The complete murine class switch α region sequence-Hierarchic structure defined by a primordial pentamer CTGRG" The Journal of Biological chemistry. 268. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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