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1993 年度 実績報告書

抗体遺伝子クラススイッチ機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 03454196
研究機関京都大学

研究代表者

山岸 秀夫  京都大学, 理学部, 教授 (90025429)

研究分担者 清水 章  京都大学, 遺伝子実験施設, 教授 (00162694)
キーワード抗体遺伝子 / TGF-βとIL-2 / 細胞増殖 / IgAクラススイッチ / 環状DNA / Sμ / Sγ_3組換え / 組換え点の均一化 / 染色体構造変化
研究概要

成熟マウス脾細胞の培養中でのB細胞における免疫グロブリン(Ig)MからIgAへのクラススイッチに及ぼすサイトカインの影響をしらべた。LPS刺激によりB細胞は増殖するがTGF-βを共存させると増殖抑制がおこる。この際,3.5日間のTGF-βを作用させると4%程度がIgA産生B細胞へスイッチする。TGF-β1.5日間処理ではスイッチはみられないが、Sα領域の転写活性の上昇がみられる。更に2日間TGF-βの代りにIL-2を添加して培養すると、細胞増殖が回復すると同時に、TGF-β連続処理と同程度の頻度でIgA産生B細胞が出現した。すなわち,最初の1.5日間のTGF-β処理の間にIgMからIgAへのスイッチの方向ずけがなされ、あとの2日間で実際の組み換えが進行すると解される。
細胞増殖の停止状態と開始状態とでは,IgAスイッチ組み換えの行なわれる染色体高次構造が異ると考えられたので、両者におけるスイッチ組換え産物としての環状DNAを解析した。実際にはIgMからIgAへのスイッチ組換えの中間産物として高頻度にみられるSμ/Sγ_3組換え部域の比較を行った。
その結果,TGF-β単独でのスイッチ誘導の際にはSγ_3の一部が受容体となっていたのに対して,IL-2を併用した際には,Sγ_3の全領域が受容体として利用される傾向を示した。このことは,TGF-βによって開始されたスイッチ反応がIL-2によるDNA合成誘導と染色体構造の変化に関連して修飾されたことを示唆するものである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Takuji Iwasato: "TGF-β induced class switch recombination may be modified during the cell proliferation restored by IL-2 stimulation" Immunology Letters. (印刷中). (1994)

  • [文献書誌] Hiroshi Arakawa: "The complete murine class switch α region sequence-Hierarchic structure defined by a primordial pentamer CTGRG" The Journal of Biological Chemistry. 268. 4651-4655 (1993)

  • [文献書誌] Takuji Iwasato: "Biased distribution of recombination sites within S regions upon immunoglobulin class switch recombination induced by TGFβ and lipopolysaccharide" The Journal of Experimental Medicine. 175. 1539-1546 (1992)

  • [文献書誌] 山岸秀夫: "抗体のクラススイッチと環状DNA" 代謝増刊号「免疫'91」. 28. 123-129 (1991)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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