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1993 年度 実績報告書

ヒトP450による有機溶剤の代謝および毒性発現機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 03454202
研究機関信州大学

研究代表者

村山 忍三  信州大学, 医学部, 教授 (90020718)

研究分担者 那須 民江  信州大学, 医学部, 講師 (10020794)
青山 俊文  信州大学, 医学部, 助教授 (50231105)
キーワードシトクロムP450 / 有機溶剤の代謝 / トルエン / スチレン / トリクロロエチレン / キシレン / 喫煙 / 飲酒
研究概要

1.ヒト肝における有機溶剤の代謝。ヒト肝ミクロソームにおいて、トルエン、エチルベンゼン、トリクロロエチレン、キシレンおよびスチレンはいずれも代謝された。トルエンの代謝物として、ベンジルアルコール、o-およびp-クレゾールが検出された。喫煙者のo-クレゾール生成は非喫煙者より多く、喫煙によって、o-クレゾール生成に関連した酵素が誘導されることが明かとなった。しかし、飲酒の有機溶剤の代謝に対する影響は明かにすることは出来なかった。高濃度におけるo-キシレンの代謝速度は、m-およびp-キシレンの約2倍であり、異性体間で代謝速度の差が認められることが明かとなった。これらの溶剤のヒト肝における代謝速度はラットやマウスより小さく、ヒトの組織を用いた研究の重要性が指摘された。これらの有機溶剤代謝のKmとVmaxを測定したところ、トルエンとスチレンの代謝には少なくともKm値の異なる2種類のP450が関与しているが、トリクロロエチレンの代謝には1種類のKm値を示すP450が存在していた。ヒトの肺組織においても有機溶剤は代謝された。しかしその程度は肝における代謝速度の1-2%であった。喫煙者の肺におけるスチレンの代謝速度は非喫煙者よりも大きく、喫煙によってスチレン代謝に関連した肺のP450アイソザイムが誘導されることが判明した。肺におけるトルエン代謝物の生成比は肝とは明らかに異なっていた。
2.ヒトP450アイソザイムの分析。ヒト肝には、少なくともCYP1A2、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2E1、CYP3A4(3)が発現していた。CYP1A2の発現には個体差が認められないが、その他のP450アイソザイムの発現には明かに個体差が認められた。ヒトの肺には、CYP2C8が発現していた。CYP1A2、CYP2B6、CYP2E1、CYP3A4(3)の肺での発現は痕跡程度であった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Nakajima T et al.: "Induction of cytochrome P450 by toluene" Int J Biochem. (in press). (1994)

  • [文献書誌] Nakajima T et al.: "Butadiene and Styrene:Assessment of Health Hazards(分担)" International Agency for Research on Cancer, 412(101-108) (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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